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151話目

翌朝、鳥の声で気持ちよく目が覚める。


と言ったことはなく、窓から差し込んでくる明るい日の光で目が覚めた。


というわけでもなく、朝ごはんを運んできた看護師さんに起こされた。


それもそのはずで、私は普段は朝方に寝て午後に起きるといった生活をしていることがほとんどだ。


急に朝起きろと言われてできるわけがない。


それに体調も悪かったのだ。


ぐっすり快眠で比較的体調も回復している。


とはいっても、一晩で回復するほどの浅い体調不良でもなく、平常運転に戻るまではしばらく時間がかかりそうだ。







ベッドの上に置かれた机のさらに上に置かれた私の朝ご飯は、消化に優しい具材なしのお粥、具材なし味噌汁にスムージー一歩手前のような野菜であった。


悲しい食事に思えたが、食べてみるとスッっと体の中に入っていくため案外よさげである。


ただ、通常時には食べたくはない。


患者一人一人に合わせた食事を毎回準備しているのだから、病院というものはすごいなと感じる。


隣の少女に運ばれてきていた食事は私のように消化に優しいよう、加工されたものではなかった。


昨日の車いすもそうだが、おそらく体調不良でこちらに来ているわけではなさそうだ。


ただ、カーテンで仕切られているためほとんど顔も見ることはない。


おそらく話すこともないだろう。








そう思っていた時期も私にはありました。


朝食を食べ終わり、天井のシミを数えていると、ふと隣から声が聞こえてきた。


「あなたはどうしてここに?」


そういう質問であった。


声の出先は先ほどの少女。


突然のアプローチに多少困惑しながらも、「体調不良で」と一言応えた。


続けるように「あなたは?」と聞き返す。


「交通事故でね、足を骨折したんだ。両方。」


どうやら横断歩道を渡っているときに車にはねられたらしい。


幸い大きなけがを負ったのは足だけで、リハビリも進んでいるからあと少しで退院できるということだった。







自身の話を遮るように、彼女は「お見舞いが来たみたいだよ」といった。


入り口に目を向けると、そこには夏海の姿があった。


「夏海!別にそんなに来なくても大丈夫なのに。」


「いや、心配じゃん?体調は大丈夫なの?」


「結構回復してきたよ。」


夏海の目の下にはうっすらとクマができていた。


どうやら心配であまり寝れなかったとか。


うれしいんだけどちゃんと寝てほしいなと思う。


「そういえば、正午にチームの方から夕日の体調不良での活動休止が発表されるから。」


「え!?なんだか大事じゃない!?」


これは果たしてチームから発表されるようなものなのだろうか……。


ただ、配信活動とかができなくなるというのは伝えておいた方がいいのだろうな。


「Centres Gamingはエキシビジョンマッチの代理出場に合意してくれたから、心配し名うても大丈夫だよ。」


「……そっか。じゃあおとなしく休んでおくことにするよ!」


ふっと湧いて出た誰にも文句の言われないお休み1か月。


ゲームは好きでやっているからいいものの、それでも毎日ずっとやり続けていたら飽きるし疲れる。


外出とかはできないけれど、自身の体を休める時間に当てたいな。

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