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148話目

「勝ったぞッ!!」


試合終了後、ゲーム内に設けられた控室で久しぶりの休息と、優勝したものしか味わうことのできない達成感を味わっていた。


サンライズファンタジー大会3連覇!!!やったぞ!!!!


最高だよッ!!


「賞金幾らかなぁ~!!」


そう声を上げるのは音符猫である。


ほかに言うことないのか……とか思いながらも、このゲーム以外に稼ぐすべのない私たちはやはり気になってしまうのである。






そういえば、試合に熱中していて忘れていたのだが、いまだに私の右上には警告マークが表示され続けている。


さすがにそろそろ戻らないとやばいかもしれない。


「ごめんね、私とユウヒいったんログアウトするわ。」


「ん?わかった。どうかした?」


「いや、何でもないわ。それじゃあ失礼。」


どうやらメアリーも同じようなことを考えていたらしく、メアリーとともにゲームからログアウトすることにした。










「うッ!?こ、これは……ッ!」


想像を絶する体調の悪さ、吐き気に頭痛に寒気。


どうやら私は無理をしすぎたらしい。


ゲーム内での時間が相当経過しているため、以前の感覚はほとんど忘れてしまっているが、それでもわかるほど明らかにゲーム開始前よりも悪くなっているのを感じる。


「夕日、大丈夫?」


「やばい、かも……」


夏海が急いでとって来た体温計を脇の下にさし、体温を測る。


ピピっという軽快な音とともに示された体温は41,1度、朝よりは下がったといっても0,2度である。


夏海は「こりゃまずいわね……」と呟くと、世話しない様子でどこかに電話をかけ始めた。


しばらくすると、まだ状況がつかめていないながらも急いでやって来たのだろう。


息を上げながらFoxAgainサンライズファンタジー部門のマネージャーさんがやって来た。


「大丈夫ですか!?」


「まずそうです。」


マネージャーさんは私の顔をちらりと見て、「車準備している。」と一言声をかけた。


「夕日、行くよ!」


「え、ちょ、どこに?」


「決まってるでしょう、病院よ!」


大会は終わった。


この高熱なのだから病院へと行くのは当たり前なのだろう。


ただ、あくまで終わったのは私たちのプロ部門の大会で、まだ一般の部優勝者とのエキシビジョンマッチが終わっていない。


明日開催のその時までに帰ってこれるだろうか。


一般の部の人たちは、優勝して私たちと一線を交えたいと思っているだろう。


もしここで参加できないなどということになれば、必死になって優勝したその人たちの頑張りを無駄にしてしまう。


そう考えながら行くのを渋っていると、「もういい、早くいくよ!」と言って夏海に抱えられた。


パジャマのままエレベーターを下り、用意されていた車に乗り込んで以前私が入院していた病院へと向かった。

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