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140話目 †光の戦士†

「アルミ!」


「はい!わかってます!!」


自慢の高速魔法発動を使うため、一気に相手の方に突っ込んでいく音符猫は、アルミに短めの合図を送った。


魔法の威力を増強するように頼むものだ。


すぐにアルミは反応し、音符猫に魔法攻撃増強の支援魔法を付与した。


同時に、音符猫とメアリー、そして自身にも防護力増強の魔法をつけた。


音符猫は手を一度ぎゅっと握ると前に突き出し、無詠唱で土属性の攻撃魔法を発動した。


ほんとは火を使いたいところだけど、何度も言うが森が燃えてしまうのでそれはできない。


水でもいいのだが、水は正直言って生身の相手には効果が薄い。


使い方次第なのだが。


それに、この腐葉土の地面に水を撒くとぬかるんでしまう。


ぬかるんでしまった地面は接近戦には相手もこちらも足を取られてしまう。


これは相手のミスを誘いやすいというメリットでもあるが、逆にこちらのミスも発生しやすいというデメリットも存在するのだ。


できるだけ避けていきたいところ。


風魔法は落葉が邪魔になるのであまり使いたくはない。


そのように考えると、一番合理的なのが土魔法だったりする。


集中して狙えるし、基礎攻撃力も高いので非常に便利だ。


それに、自由に形を変えられるので応用が利く。


火魔法が最も得意だとは言え、土魔法はやはりもっと使えるようになってきたい、と思う音符猫である。


音符猫の突き出した手のひらから放たれた半径5㎝ほどの土の球体は、見事相手の槌使いの腹に命中した。


「痛そ~……」


おなかを抑えながら“く”の字に折れ曲がっていくように倒れていくその姿を見たメアリーは思わず声を出してしまった。


そして、幸いにも攻撃を受けなかった魔法使いの方にはメアリーが駆けつけた。


大剣の横側をハンマーのように振り、一気に相手を突き飛ばす。


「ぐへぇッ!」と声を上げながら飛んで行った魔法使いの男の子は地面に転がるように着地した。


そして、すぐに手をついて立ち上がると、手に持った大きな杖を前に突き出し、「世を司る神なる聖霊よ、我が元に集いてかの物を駆逐せよ!我が名は……」と詠唱を始めるのだが、我が名はの部分で躓いてしまった。


顔を真っ赤にしながら躓いている男の子を見ると、なぜか自然と攻撃の手を止めてしまう。


なんでここで詠唱を止めるのだろうか、なぜ顔を真っ赤にしているのだろうか、そんな疑問がメアリーの頭の中を支配する。


「わ、我が名は!」


ゴクンッ(我が名は?)


その光景に固唾を呑むメアリー。


「わ、我が名は、“†光の戦士†メルデライディン”」


「ひ、†光の戦士†メルデライディン!?!?!?」


そういうことか!


まさか自身の名前が恥ずかしくてためらっていたとは!


名前変えればいいのに!!


「笑うな!!」


「ひ、†光の戦士†くん、名前変えたら?」


メアリー半分笑いながらがそう返答すると、目に涙をためながら顔を真っ赤に染め、ぷんすか怒り出した。


「その名前で呼ぶなーッ!!」


そう叫んだ†光の戦士†メルデライディンの元に、何も知らないユウヒが飛び込んできた。


そして、そのまま†光の戦士†メルデライディンは首が吹っ飛んで倒れていった。

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