117話目 試合開始
「さぁ！長らくお待たせいたしました！SF祭、バトルロワイアルプロの部、開催です！」
ようやく開催の時間がやって来た。
私たちは出場者用の控室についていた、大きなテレビを使って公式配信を見ていた。
公式配信では実況と解説がいて、現在簡単なルール説明を行っている。
「では、出場チームを紹介します――――――」
一通りのルール説明を終え、出場チームの紹介に移った。
今回出場する30チームが順番に紹介されている。
「18チーム目は、第2回大会で2位という好成績を残したシトシスのメンバーが全員所属する形で設立された、『Centres Gaming』だ！全員が前衛という特殊な形のチームから繰り出される、圧倒的な戦闘シーンは見る者の目を引きます！今回の優勝候補の1つといっても過言ではないでしょう！」
18番目に紹介されたのは、Sakuraやメルが所属しているCentres Gamingだった。
大会の参加が決まってからほとんど連絡は取っていなかったが、おそらく相当仕上げてきているはずだ。
一緒にレベル上げとかをしてきて、彼女たちの実力は身を持って体感している。
そして、仲いいが故に一部のスキルなどはあちらのチームに流れている。
一番警戒しないといけないチームだ。
「お！ユウヒさん！来ましたよ！」
私がCentres Gamingについて考えていると、私たちのチームの紹介があった。
「では、最後のチームです！30チーム目は『FoxAgain』！！公式大会１，２回ともに優勝を治めているユウヒ選手と第2回大会の相棒メアリー選手、そこに新しく音符猫選手とアルミ選手を加えた、今回の再注目チームです！」
「いやぁ、第2回大会では他チームが4人で参加している中、たった2人で圧倒的な試合を見せ、優勝をもぎ取りましたからねぇ、そこに2人が加わったとなれば、これはもう大変ですよ！」
「はい、実際、新しく加わった2人も相当な実力の持ち主で、音符猫選手は第2回大会で爆速魔法発動が話題に上がったりもしました！楽しみなチームです！」
「はい！絶対王者ユウヒが率いる『FoxAgain』に他チームはどこまで食いついていけるのか！非常に楽しみになってきております！」
全チームの紹介が終わった。
そろそろ転送が開始する。
私たちは気合いを入れて、今か今かと転送の時を待つ。
そして、突如部屋が真っ白に光り出したと思ったら、私たちは雪山の頂上に立っていた。
