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マーダープラン  作者: せいぎ
1日目 ゲームとは楽しまなくてはならない。
19/21

2つ目の凶器




 質問などと言われたところで、昨晩のあの時から状況にさほど変化はないのだ。

 強いてあげるとするならばーー。


「すみません……私の凶器?なんですが……死因が……とゆうか名称?も変だったんですけど……」


 そう、それになるよな。

 今回も質問を切り出したのは早川さんだった。素敵です。


 フェアリさんからの返答は、一言で言えば大人の事情であった。

 現実に存在する凶器となり得る物を使用すると、ライセンスの問題やイメージ低下を招く恐れがある。そういった対処であるそうだ。

 とはいえ僕の凶器【ひのきの棒】から察するに、ゲームなどから二次創作として用いるのは、別の地雷を踏みかねない気がするのだが……。

 きっと早川さんの凶器もこの類いだったんだろうと想像に容易かった。


「じゃあ俺のコレはなんだったんだ?【クロスボウ(スティーブ作)】って書いてあったけどよ。誰だよスティーブって」


 唐突に山口くんが口を開き、椅子の下から徐に凶器を取り出した。

 

「ちょっ、あんたなに持ってきてんのよ!」

「あぁ?こりゃそうゆうゲームだろうが。殺り返す武器持ってなくてどうしろってんだよ」


 阪井さんの悲鳴混じりの声は山口くんには届かない。

 だとしても今ここで出す必要が無い、と続く阪井さんの言葉にも、山口くんの言い分も、どちらも間違いではないのだけれども。

 山口くんの行動でヒステリックになった者もいれば、無頓着な者もいる。僕の様に唖然としてる者が大半だろうか。


 最早罵声に近い2人の口論は続いているが、フェアリさんは意にも介さず、凶器の由来に関してもライセンス等の問題により明言を控えさせてもらいます、と答えた。

 見る人が見たら、いや、知る人が知れば、名言なんて必要ないくらい隠す気も無い気がする。山口くんの【クロスボウ】にしても。



 フェアリさんは改めて全員の顔を見渡し、他に質問が出てこないことを悟った様子で話し出した。


「次回の集合時間は20時に食堂です。館内放送も流れますので留意ください」


 と告げ一礼するとフェアリさんは食堂を去っていった。最後に「ごゆっくりおくつろぎ下さい」と残して。




 さてどうしたものか。

 変な空気が流れている。

 取り残された訳ではないけど、いざ急に自由にしていいと言われたら、何をしたらいいのか分からなくなった。

 きっと皆同じなのだろう。動き出す者待ちみたいな状況。

 さて、何からしていけばいいのかーー。


 その瞬間ーーダァァン!と食堂に大きく音が響いた。

 銃声……などではなく志村くんがグラグラして遊んでいた椅子の足を勢いよく地につけた音だった。

 続けて彼はこう言う。


「このゲームには必勝法がある」




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