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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ヤミオチ★ゲキツヨ少女  ~ドキドキ★パワーとゲキオコ★パワー~

作者: 木森林木林




 

 

 ある少女がいた。


 彼女は特殊な力を持っていた。



 それは、ドキドキ★パワー。



 そう、ドキドキ★するほどに、ポテンシャルがアップする能力。



 OK、まず一つずつ説明しよう。


 ドキドキ★、とは、つまりそのままの意味である。



 魔法少女アニメの陰獣がよくいう、思春期特有の不安的な心のパワーによって、なんか未知のエネルギーを



 異次元からくみ上げてなんか色々なものに展開できるのである。




 例えば・・・



「えいっ!★」



 少女はそのか細い腕で、その何倍もある岩を砕いた。




「・・・すげぇ」


「でしょでしょ~?!★」




 それに唖然とするのは、少女の幼馴染のA君だ。



 A君は、平凡。多少主人公っぽい髪形をしているが、そんな主人公がよく言う「平凡」とは、リアル読者にとっては異常であることが多い。


 そう、いうなれば主役が自身を謙遜するための詭弁。



 しかし、A君は、そういった意味での、『平凡』というわけではなく、マジで平凡な少年である。



 彼が何事かを成そうと思ったことは特にない、いやしいて言うならば、あるアニメの影響で多少筋トレにはまっていた時期もあり握力グリップを購入したこともあったがそれは3日ボウズどころか1日で飽きてしまった。



 そんな、誰にでもあることしか経験していない、どこにでもいる平凡な少年であり、



 事実、彼はほかの人間と代用可能なくらいありふれている。




 しかしそれでも、あえて彼が特殊な身の上だと仮定するならば、、




 それは少女に『愛』されているということだろうか。





 そう、たった今、彼は『代用可能だれでもよい』と表現した。



 つまり、誰でもよかったのだ。


 ただ幼稚園の頃から顔を見合わせ、家もとなりどうしだったということもあり、



 少女は運命的なものを感じ、将来の婿に決めたのである。


 別段、イケメンだとか、少年A特有の魅力があるからとか、そういうわけではない。



 だが、そんな少年Aを、少女は恋をしたのであった。


 凡庸な少年Aのことを少女は愛している。



 きっかけは偶然にすぎないとしても、  今では代用可能ではなく、少年Aしかダメなのだと思っているのだ★!





 そう、それ故に・・少年A の近くにいるときにだけ、少女はその超絶パワーを発揮できる。



 ドキドキ★パワーが高いほど、超絶身体能力の上昇が可能なのであるから、当然であろう。



 さらには、手をつないだり、あるいはキッスだったり、そういった濃密な体位になるほどパワーが上昇する。



 まあ、正確には、ドキドキ★していればいいわけだから、少女が少年Aを妄想の中でアレしたり、そういったことでもパワーは上がるのだが。



 まあそこは、少女的に少年がそばにいるほうが都合がいいので、そういう制限があるのだということにしている。







 そして、唐突ではあるが、、





 そんな少女は、実は世界を救うために日夜戦っているのだ。




 そう、突然世界は、魔王といわれる存在によって支配されてしまったのである。



 魔王が送り込んでくる魔物は、l少女のドキドキ★パワーでしか倒せないのだ。




 

 まあ、そんなわけで、少女は少年とともに世界を救う戦いに出たわけである。




 そして・・・数年が立ち、少女は戦った。



 正直少年Aが一ミリも介入できないくらい、戦いは激化していったのである。、




「うおーーーー!!!」



「ゴロス・・ニンゲンゴロs。・・・!!!!」




 異形の筋肉もりもりな拳と、少女の柔らかい拳、両こぶしが重なり合い、そして・・



「うりゃー!!」


「ぐわぁあああああああああああああああああ!!!しぬ!!1イダイ!!イダイイダイイダイイダイイダイ!!!!アアアアアアアアアアアアアアアア!!



「これでとどめだよ★!!」



 ぐちゅっ!!



 異形は、5mくらいの筋肉の塊と呼ぶべき鬼のような形相をしていたのであるが・・



 少女のドキドキ★パワーに対しては無力だった。




 そんな難攻不落の少女の弱点を、割と序盤で魔王軍は発見した。



 そうそれは少年A。



 彼を倒せば、少女の心を絶望で満たすことができる。



 故に、少年Aを誘拐、いやあるいは殺害したり何らかのケガをさせることに特化した魔物および作戦を決行。



「シネェエエエエエ!!!ジネェエエエエエエ!!!!周囲3km全てを放射能汚染させるわが爆弾ぉおおおお!!」



「うわぁあああ!!!???」


 だが、そんな無能少年Aを、少女は守った。



「させないよ★!」




 少女は、マッド博士の脳髄を一撃で屠り、絶命させつつ、全身から謎の光を放った。


 そうそれは現代では実現不可能な、放射能汚染を解毒する謎のオーラ。



「た、助かった・・・」



「心配いらないからねっ★」



 そう言って彼女は振り向いて血まみれのVサインを送る。







 そんなこんな、色々あったが、ついに魔王との直接対決。



「くくく・・・よく来たな。化け物め」


「化け物はそっちじゃなーい★」



「よく言う、たった一人でわが魔王軍を壊滅に追い込むとは・・化け物以外のなんだというのだ?」



 そういい、高さがビルくらいある魔王は、そのカリスマと邪悪のオーラあるれる巨体を椅子から起こすと、


 パチン、


 と指を鳴らした。



 すると、瞬間移動。



「な、なんだ?!」




 周囲には、空間にぎっちりと詰め込また魔物たちがいた。



「ぐへへへへへ」



 それらは、これまで倒してきた魔物の比ではないくらいの実力、本来一体だけで宇宙すらも滅ぼすほどの害悪生物たちだった。



「これを見てもなお戦うか?


「当然だよっ★


「ひえぇえええええ





「今ならわが軍門に下ることで許してやらなくもないぞ?」


「そんなの、ダメ★、だよ★」


「勝てるの?これ本当に勝てるの?!」



 少年Aは充てられたオーラによって半ば半狂乱になっているが、少女は依然姿勢を崩すことなく、後ろを振り返り、微笑む。



「大丈夫だよ★わたしが全部倒すからね!★」




 その微笑みに、慈愛・・というよりもすさまじい戦力を感じた少年は、一瞬で全身の震えをどうにか収めた。



「わ、わかった・・君を・・信じる!」



「うん★」



 そして、笑顔になった少女は、全身からこれまでの比ではないドキドキ★パワーを放出させ・・


「な、なんだ・・?!この力は・・・?!やべっ、逃げろ・・うわああああああああああああああああ!!!」





 そして、なんだかんだ全滅させた。



 そう、、世界に平和が戻ったのだ。



「やったーーー★!」



「やったな!少女!!」



「わーい!」


 そう言って、二人は手をつないで喜び合った。



 そして、なんだかんだで地球外に出ていた彼ら二人は、少女が当然のように宇宙空間を超速で移動することにより帰還することがdけいた。




 そう、そして地球には、多くの人々が帰りを待っていたのである。



「うおおお!!ありがとう!地球を救ってくれて!!」


「やりましたね!!魔王を倒した今の感想をお聞かせください!!」


「君は英雄だ!!いやヒロイン?!どっちでもいいがありがとう!!」


「よろしければこういうものですがわが社のスポンサーに」「いや俺が先だ!」「いや私が



 そんな押し合いへしあいの中、一人の女の子が少年Aのもとへと駆け寄ってくる。



「Aクン!やっと終わったのね!!


「少女B!!」


 少年Aは駆け寄り、二人は抱き合った。



「やっとこれで地球に平和が戻った・・、これからはずっと一緒だよ!!」


「やったのね・・!!それもこれもあなた・・いえ、あの方のおかげなのね!!」



 それを見て、少女は・・・


「・・・・・・・・・?



 ナニカガオカシイと、首をかしげる。




 その視線に気が付いたのか、しばらく抱き合った二人は、唐突に少女の姿をふと確認すると、



「あっ!」



 少女Bと呼ばれた女の子は、少女のもとへと駆け寄る。



 そして、お辞儀をすると、



「ありがとうございました!!地球を救うだけでなく、あなたのおかげでAが満足に帰れたのです!」



 それに追従して少年Aも



「今までほんとうにありがとうな。少女。君のおかげでBと安心して暮らせそうだよ」


「く、暮らせるって・・・結婚の話は秘密にしようっていったじゃない!」


「あ、そうだったか!ごめんごめん」


「もーー!ばかー!」


「ははっ



「ふふふ」


「「「あはははははははははは」」」」




「・・・・・・・・・え?」



 少女は首をひねった。



 何かがおかしい。


 何か起きてはならないことが起きている。




 あまりに当然の事実「だと思っていたもの」が、音を立てて崩れていることを感じていた。




 だが、それを否定する感情が強すぎるが故に、今の状況が理解できなかったのである。



 故に、聞いてしまったのだ。


「あの・・二人はいったい・・・?



「あ、私たち恋人同士・・っていうか、もう婚約の約束もしているんですけど・・」


「結婚式、絶対来てくれよな!!」



「あ、あーー?」




「あ、でも大丈夫かしら彼女これから忙しくなるんじゃ・・だって有名人どころか英雄だし」


「そうかもしれないけどさ、やぱり俺の『親友』には来てほしいじゃん」


「そうね、あなたの『友達』には全員来てもらいましょう!」



「えーっと、その・・」






「そうだよ。彼女はとてもいい奴だからサ!」


「そうだ!あなたの友達でもあり命の恩人でもある彼女に私たちの子供の名付け親になってもらいましょう!」


「それは良い提案だ!いいよな!少女!」





「うんうん、なるほど。あーなるほどね。え?
















 えーーーtっと、、











 え??












 その時、あれほど強烈だったドキドキ★パワーが、まるで反転するかのように彩度を落としていった。


「え?どうしたんだ?少女?え?」


「そっか・・そうだったんだ・・あは、あははは」


「ど、どうしたんですか!!少女さん!」



 そう、ドキドキ★パワーは、別に使用に対してデメリットがあるわけではない。



 例えば今エネルギーを間借りした分、後で返さないといけないという法則があるわけではない。



 ドキドキ★パワーは、ただ単に少女のドキドキ★に呼応して生まれる副産物に過ぎず、それは無限にくみ出せる画期的なエネルギーでしかなかった。



 だが、同時に分かることは、ドキドキ★『ではない』感情にも、ドキドキ★パワーは呼応する、ということである。



 いや、それはもはやドキドキ★パワーと呼称しても良いのだろうか?




 そう、そのエネルギー源にあえて名をつけるとしたら・・・



    ”ゲキオコ★パワー”



「浮気したなぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!




 そして世界は崩壊した。


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