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1話 異端なる吸血鬼

カプっと、何かが柔らかいものに突き刺さる音と同時にうら若き少女の艶めかしい小さな嬌声が漏れる。


「…あっ、うんっ…」


それは今抱きしめてる少女の声である。それが耳の近くからダイレクトに伝わってくる。吸血鬼となった俺の耳に正確に伝える、快楽が混ざっている羞恥の音だと。


「…あぁ、ああっ…アぁぁアアぁ!」


耐えきれなくなったためか顔色を紅潮させ、胡乱な瞳は潤み、体は震えながらも俺を強く抱きしめる。


「…がとう…ごさ…し」


限界だったのか小さくお礼を言って気絶してしまった。俺たちはまるで事後のようになっていた。


説明するにはかなり前からする必要がある。









            ✝✝✝




気がついた時には、既にどこかの森の中だった。あ、情報追加します。怪しさ満点で森はざわめき、明らかにただの動物ではないであろう、「Gyaooooooo!!」とか聞こえてくる。


もんなんだか、既に簡単にこっちに来たことを後悔しそう。


「……そもそもここどこだ?」


人は心底困った時に心に思ったことを漏らしてしまうと聞くが本当らしい。そのおかげで進歩があったのだから。ただの少しも返事が帰ってくることを期待した訳では無い。それによって忘れていたスキルを思い出した。そして同時に頭の中に響く声。


《ここは【悪魔の巣窟】と呼ばれている森ですマスター》


そのスキルとは【星之叡智】、俺が最後に選んだ【EXスキル】であり最高のポイントであったものだ。その能力はポイントに見合う強力なものだ。現在過去におけるこの星で起きた起きていることを知れる。


「……【星之叡智】だよな?」

《そうですよマスター、因みに念じれば言葉に出さずとも会話できますよ》


念話で話せるらしい。

一応確認はしておく。だって全く違う何かだったら怖いからね。んでもって【星之叡智】と俺について知ってるのなら教えてもらいたい。自身の出来ることを把握することが大事だ。


(君のこととか今の状況とか俺の能力とかについて教えてもらえるか?)

《わかりました。まずは私についてお話させていただきますね。私は世界で同時に1人しか所有することが出来ないスキルであり、私という意思は【星之叡智】がマスターであられるグラン・アルゲントゥム様にスキルを起動されることにより生まれ、マスターがある限り存在します。一蓮托生ですね。マスターについての事は取り敢えずステータスを見てみてください》


(ステータス?…どうすりゃいいんだ?)


ステータスとかは何となくアニメや小説から想像出来るがどうしたらいいか分からない。あっ、因みにステータスって英語で地位らしいぞ?


《念話の要領で心で念じれば見れます、私も確認しますね》




            ✝✝✝



名:グラン・アルゲントゥム

 種族:混沌アルスヴェルト(神祖)


 レベル:1

 HP:100000/100000

 MP:100000/100000

 筋力:100000

 耐久:100000

 敏捷:100000

 魔力:100000

 器用:100000

 幸運:49680


 exスキル:経験値三倍 聖紋 鎖召喚Lv1 精霊紋 

記憶魔法Lv1 魔の真髄 天賦の才 破魔眼 

アイテムボックス 星之叡智

 固有スキル:言語理解 血魔法Lv1 闇魔法Lv1

 影魔法Lv1 幻惑魔法Lv1 変身魔法Lv1 月光の加護 

超再生 魅了の魔眼 神祖の血 夜の支配者 理不尽の強権 吸血 眷属化

 スキル:鑑定Lv5

 称号:異端なる吸血鬼


         ✝✝✝   



《マスターの事情を知っていますがやはり異常な強さですね。初期値が恐らく三強に入るでしょう。幸先よく、この森には魔物が沢山さんいます。マスターの手馴しにぴったりでしょう。


どうしよう、いきなりパートーナーから異常と言われてしまった。それに今非常に気になることを言っていた気が…。


(なぁ、えっと、だァー!名前なんて呼べばいいんだよ!)


《そのような事でお困りでしたか。察しが悪く申し訳ございません。どのようにでもマスターのお好きなようにお呼びください。》


何でもそうだけどいざ何でもっと、言われると困る。でもコイツにはスキルとしての名前しかなく、呼称がない。折角声が玲瓏なものなのだから(きっと女の子)可愛い名前がいいはず。


(……桔梗。桔梗なんてどうだ?花言葉で清楚や誠実を表すんだが。ネーミングセンスが無いから悪んだけど、いいか?)


そう念じて伝えた瞬間に身体中の力が抜けた。と言うより体の中から何かを抜かれるような感じ。例えるなら急激に血を失い貧血の酷いような感じ。


《マスター!?大丈夫ですか!?》


(よくわかんねぇけど、大丈夫だ、それより名前は桔梗でいいよな?)


《はい!……マスターに名前をつけて頂き至上の幸せ。これから桔梗としてあなたに仕え続けます》




      《《《《《《《報告》》》》》》》

《名ずけにより【星之叡智】の自我が桔梗になりました》

《条件達成によりスキルが進化【世界目録】(桔梗)になりこのスキルはグラン・アルゲントゥムのみの専用スキルになります》




(お、おい桔梗?名付けとか進化とか色々したんだが?)

《…》

(桔梗?)

《……なま……き…う》

(桔梗!)

《っ!?何でしょうかマスター?》

(固まってたけどどうしたんだ?)

《その、完全に自我として独立することができたのです。つまり私は世界の理から逸脱しマスターだけのものとなることが出来ました!先程以上の喜びだったので…》

(…そ、そうか良かったな?それで質問についてなんだが)

《も、申し訳ございません》


どうやら俺はそうそうにやらかしたらいい。そのせいで桔梗を混乱させてしまったようだ。だがなんだろう、若干声のトーンが上がっていたような…?


《名付けとは行為の存在が下の者または配下などに魔力を消費して名を付けることによってその者の格を大幅に上げその存在を世界に刻むのです。私の存在の格が上がることによりスキルが変化したのでしょう。マスターがふらついたのも不意に名付けを行ったからでしょう。》


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