剣術! 剣を作って人体錬成⁉︎
更に五年後、俺は母さんと平原にいた。
向かいあって、お互いを見つめ合う。
「行くわよ」
「はい……」
俺が返事すると、母さんは勢いよく俺に向かい距離を詰める。
「……くっ」
凄い速さだ。
目で捉えるだけで精一杯だ。
「はぁっ!」
そして母さんは剣を振るう。
「ぐっ」
俺はそれを何とかして受け止めた。
そう、現在……俺は母さんと剣の修行をしていた。
理由を説明すると、なんと母さんは凄腕の剣士だったのだ。
この世界には、十種の剣術があるのだが、それを全て極め高めたのが母さんらしい。
半端ねぇ……。
「体幹がブレているわ、もう少し筋トレに励みなさい」
「はい」
「後は反応速度を鍛えて欲しいわね。距離の取り方や、剣の持ち方、体制の切り替え方、他にも……」
うぅ……指摘が多い。
まあそりゃあ出来ないのは分かってるけど少しうるさすぎる。
「まあ、今日はこれで終わりとしましょうか」
「あ、はい!」
「あ、そうだ」
「ん?」
「あなたの弟か妹が出来たわよ」
「……えっ⁉︎」
気づかなかった……いつそんな営みを。
まあ、嬉しいけど。
弟か妹ねぇ……前世では兄弟というものがいなかったから、新鮮だなぁ。
「という訳で、剣の修行は後一ヶ月しか出来ないわね……ま、それまでに剣術の半分くらいはマスターしてもらうつもりだから、覚悟しておいて」
「は、はい……」
これは辛い修行になりそうだ。
まあ、しかし努力しよう!
努力は実る!
実際、魔法の方は……もう、父さんを超えてしまったし。
「じゃあロゼ、転移魔法を出してちょうだい」
「はい」
言って俺は転移魔法を出した。
それに入り、家へと帰る。
「うーんっ!」
帰ってくるとやっぱり落ち着くなぁ。
この家……前世基準で考えても本当良い家だ。
全部木で出来ているから、耐久性には欠けるけれども、とにかく落ち着きがある。
さてと、暇だし魔法の研究をするか。
俺が思うに、魔法には無限の可能性がある。
時間だって超えられるかもしれない。
「えっと……そういえば」
魔法を使って何か物を作ることって可能なのだろうか?
剣とか……盾とか……もし、魔法で作れるのなら、剣術も志すものとしてはかなりのパワーアップに繋がると思うんだけど……。
「よし、やってみよう」
まずは土魔法でベースを作り出す。
そこから微調整を加えて、元素を入れ替えて材質を変えて……鉄を作り出し、炎魔法で焼き、後は魔力を注入すれば……。
感覚に従うようにして、とにかく剣を作ろうと試行錯誤を繰り返した。
すると……。
「な、なななななっ⁉︎」
なんだこれ……。
そこに出来上がったのは、真っ黒な剣だった。
中心に紅い炎のような宝石が光る……真っ黒な剣。
見ているだけで吸い込まれてしまいそうな純粋な黒だった。
「しかもこれ……とんでもない魔力だ……俺が作ったはずなのに、俺の魔力量を遥か超えている。どういうことだ? 無茶苦茶だぞ……」
「無茶苦茶だな」
「あぁ……ん?」
今の誰の声だ?
俺は辺りを見渡す。
窓、机、椅子、ソファー、幼女、壁、本棚、クローゼット……ん?
幼女……?
「誰だよ!」
「誰とは酷いなぁ。ご主人」
「ご主人?」
「あぁ、そうだろう? だって私を創り出したのはお前ではないか」
「作り出した……?」
え、この子俺の子?
どうしよう……子作りなんてした覚えないんだけど。
俺、まだ八歳だし。
「さっき、魔法で作っただろう。忘れたのか? ご主人はアホなのか?」
「んんんん? どういう意味だよ? 俺がさっき魔法で作ったのは剣だ……あれ、剣は?」
あの漆黒の剣は無くなっていた。
「はぁ、だからその剣が私だ。鈍いやつだなぁ……」
「な⁉︎ 嘘だろ……?」
「本当だって……ほら、見ろこの黒髪。この世界にはまずおらんぞ」
「確かに、真っ黒だ……さっきの剣くらい」
え、ということは……。
「俺、人体錬成しちゃったの?」




