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突然の求婚

何事も予定通りうまくいくはずがない。


殿下が森に狩りにいく日は、私達も森へ出かけた。しかし、一向に進展が無かった。アントニーナ様とアドリブをしているのを遠目に殿下が見ている、という図はそのままで、殿下からのアクションが無かった。

これには流石にアントニーナ様も焦りを見せていた。


「これじゃあ埒が明かないわ。こうなったら、無理にでも会話の糸口をみつけるわ!」


そう言うと、被っている帽子の紐を緩めた。


「今日は風が少し出ているわ。風向きが殿下の方に向いたら、それと分からないようにして紐を解くの。うまくいけば、殿下が拾って下さるわ。」

「そしてそこから愛を育むと…」

「そうよ」


そして、帽子は飛ばされた。

それを慌てた様子で追うアントニーナ様。風で飛んできた帽子に少し躊躇いながらも拾った殿下。アントニーナ様は、海のように青く透き通った美しい碧眼で上目遣いで殿下を真っ直ぐ見つめた。殿下もまた、動揺を隠せない様子でアントニーナ様を見つめ返した。


ついに、二人は対面を果たした。


「あの…ありがとうございます。」


アントニーナ様は殿下が持ってる帽子に視線を落とし、礼を言った。


「ああ…」


殿下は思い出したかのように自分が持ってる帽子を見ると、アントニーナ様に返した。

「貴女の名前は…?」

「私は…ニナと申します。」

「ニナ!」

「はい」

「結婚してくれ!」

「は……え!?」

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