表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

出会い

久しぶりの投稿です

その日、アントニーナとクロエは、質素なワンピースを着て、森に来た。


「殿下は、この森でよく狩りをするわ。だから、この森にいれば殿下の目に止まるかもしれない。でも、最終的に死ぬ予定だから素性を偽り、架空の人物を演じる必要があるの。つまり釣りね。設定は、私はニナという下級貴族であなたはニナの侍女…まあ、現実と同じような感じね。」


下級貴族の娘が王子様に見初められる…というシンデレラストーリーを描くつもりなのか。


「だから、かつらを被っているのですね。」


アントニーナ様は、ご自分の美しいストロベリーブロンドの髪を押し込め、黒髪のかつらを被っていた。


「そうよ。真っ黒い直毛の髪は少し珍しいし、髪の色を変えておけば特定は難しいだろうから。本当は、瞳の色も変えたかったけどカラコン無いから諦めたわ…」


ニナは、黒髪碧眼美少女という設定なのか。それで…


「そうですか。それで、私は何をすればいいのでしょうか。」

「殿下を待つのよ。そうね、私たちは森に散歩に来たという設定で、花を愛でたりするアドリブをしましょう。そして殿下は私を見つけて、標的にするわ。」


何事も予定通りいくはずがない。果たしてうまくいくのだろうか。そもそも今日、殿下がここにくる保証はない。


「分かりました…。」


「ねえ、何か聞こえない?」


アントニーナ様の指示に従ってアドリブをしていた時だ。馬の蹄のような音と、複数の人の声が聞こえてきた。


「聞こえますね。」

「これは…きっと…!少し見てくるわ。」


言うが早いが音がする方向に駆け出した。

私はため息をつき、まわりを見渡した。姿は見えないが、近くにいることは確実だ。しかし、もし殿下だとしたら、何と運がいい事だろう。この森は広大なのに、同じ日に、同じ時間に近くを通りかかるなんて。


「やっぱり、王太子様御一行だったわ!数もそんなに多くない。それに、少し見ただけだったのに殿下と目があってしまったわ!目があった瞬間、急いで撤退したからうまく行けば罠にかかるかも…ふふっ」


まるで計算通りだった。いや、今のところ順調、という所か。


「まあ、本当に殿下でしたの。しかし、何という偶然なんでしょう!」

「偶然じゃなくて必然よ。実は私、色々調べたの。それで、殿下がいつ、どこで、狩りをするのか分かったからそれに合わせて計画を練ったのよ。」


ああ、だからか。私は一気に納得した。ここ最近、私は一日中アントニーナ様のおそばにいるわけでもないので詳しくは知らないが、アントニーナ様が挙動不審だった事が多々あった。無駄にお屋敷をウロウロしていたり…。


「それにしてもよくそこまで調べましたね。」


私はアントニーナ様の情報収集能力に心底驚いた。


「ええ、まあ…お父様の書斎を調べさせて頂いたりしたから…。」

アントニーナ様は歯切れ悪く答えた。ああ、不法侵入していたのか…。


「それより、うまく罠にかかったみたいよ。」

「そのようですね。」


視線を感じ、気付かれないように周囲を盗み見ると、確かに殿下と思しき男性がこちらを…アントニーナ様をみていた。


そのまま、視線を感じながらアドリブを続けていたが、やがて殿下の気配が消えたので、屋敷に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ