「ホフマン」が、ある、世界文学全集
私が知る限り
「ホフマン」が、ある、世界文学全集というのは
4つである。
その1、
これは河出書房が戦前昭和15年に発刊した新世界文学全集の第20巻に収められたものである。
小夜物語 . 金髪のエックベルト . 聖チェチ-リエ . 健気なカスペルルと美しいアンネルルの物語 / ホフマン著 ; 石川道雄訳 . ティ-ク著 ; 植村敏夫訳 . クライスト著 ; 竹越和夫訳 . ブレンタ-ノ著 ; 石川錬次訳
相当珍しい本であるが、ネットで調べた限り、売っている古書店はなかった。
以前、ある古書店で山積みされている中から私が掘り出したものだ。
ホフマンの「ナハト・シュツッケ」(夜景と訳せようか?)短編小説集を全訳したものである。
「小夜物語」とはけだし、名訳ではないか?
私の愛する古書の一つである。
石川道雄氏の訳である。
第1部
砂鬼 (砂男をこう訳したのですね。)
イニヤッツデンナー (イグナーツ・デンナーです)
G市の羅馬教会
聖歌
第2部
廃屋
家督相続異聞
祈誓
石に刻める心臓
その2、
河出書房新社、昭和33年刊行の「世界文学全集」の第3期、6におさめれている。
ホフマン、ハイネ。アイヒェンドルフ、と3人集となっている。
(ハイネは問題外なので無視。第一今どきハイネを読む人なんていないでしょ?)
アイヒェンドルフは「愉しき放浪児」が治めれている。
ホフマン単独ではないのが悔しいが、、
でもこれは画期的である、というのは
何と、「悪魔の美酒」が全訳されているのである
訳者は石川道雄氏である。
文体は、古雅?というかやや硬い?訳文ですね。
その3
おなじく、河出書房新社の世界文学全集の昭和40年刊行、
第3集、第10巻に「ホフマン」単独でおさめられている。
内容は「悪魔の美酒」全訳
「金の壷」
「マドモアゼルスキュデリー」
訳者は、中野孝次氏である。
訳文は、読みやすく、いい感じ?に訳されている。
その4
集英社、世界文学全集の、第18巻「ホフマン」単独であおさめられている。1979年刊行。
昭和54年ですね、
内容は、砂男、ブランビラ王女、蚤の親方、クライスレリアーナ、となっている。
訳者は種村季弘、池内紀、渡辺健、の三人である。
そうして、、
これ以後
各出版社自体が
いわゆる「世界文学全集」という企画自体を廃止?してしまったので?
世界文学全集が発行されませんので
ホフマンといわず、その他の文豪も、
もう「世界文学全集」という形ではお目にかかれなくなってしまったんですね。
その原因は
いわゆる「活字離れ」が主因でしょうね。
テレビゲームとか
ウインドウズとか
1990年代から目覚ましく登場して
それまでの
読書という娯楽?の牙城を揺るがし始めたからでしょう。
いま文学ってどうなんでしょう?
村上春樹?
大江健三郎?
正直、言って、、
わたしは、読みたい気はしませんねえ。
なぜ?
つまらないからですよ。
それだけです。
追記
ホフマンの作品のほとんどすべての原文は「ウイキソース」に載っていますから
ドイツ語が分かる方ならば、原文でホフマンを読むことができますね。