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お友達
あなたはじっとこっちを見てる
声をかけてくることはない
何か気に入らないの?
何か嫌な事をしちゃったかしら?
聞こう聞こうと時間が過ぎる
きっと気のせいと思ったころにあなたを見つけた
変わらずに見ているあなたに面白くなってそばを通る
笑顔で挨拶
よく見かけるんだもの普通だわ
あなたは驚いた表情で慌てて俯く
嫌われてる?
わたし何かした?
顔を上げたあなたが戸惑う
わたしがまだいちゃダメだった?
ころりとこぼれた涙
「君が好きなんだ」
あなたはそう言ってわたしの涙を拭くためのハンカチやティッシュを探す
嬉しいの
それでも
「お友達からでいいですか?」




