ぴぐみー
『マクリア』
それは転移の魔法。
『ラ・プティス』
それは神聖なる変身魔法呪文。
『ディス! トゥリス! メギストス!!』
コレは敵を打ち倒す最大呪文。
このうち最も重要な呪文は『ラ・プティス』
変身してからでないと『マクリア』と『ラ・プティス』しか使えないのだから。
病弱な姉(双子)のかわりの変身魔法使い。
僕は姉に言われたとおりの作戦で敵と戦う。
正義のために戦うってとくに疑問はないんだ。
どっちが正義かなんて興味もない。
姉様が楽しそうならいいよね。
でもひとつだけ問題があるんだ。
「イイ。この脚線美! くるぶしにかけてのライン! このロクに筋肉も脂肪もつぅいてない頼りない加減が堪らん!!」
そう、この熱帯魚風妖精のピグミーだ。
僕の足を舐めそうなほどの勢いで愛でてくる魚。
たぶんこいつの趣味で僕の変身衣装はきわどい短パンにだぼつくジャケット。
全部で五匹こいつらの仲間はいるらしい。
「俺様以外はヘンタイの集まりさ」
そうピグミーは言っていた。
僕と姉が、
「なんでこんな変態どもが世界平和なんかやってるのかしら?」
「きっと犯罪抑止じゃないかな?」
と言う結論に至ったとしても悪く、ないよね?
会ったことのない他の四人の妖精たち、そうできることならば。
「一生会いたくない」




