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転落を望む
こわいと思った。
空なんか飛べなくてよかった。
明日は欲しいけれど君がいないなら意味はなかった。
翼を広げて空を飛ぶ。
正しいことと教えられてもそれは君を置いていくことで。
そんな正しさはいらなかった。
間違っていてもいい。
正しくなくていい。
君といるその時間だけが安寧だった。
君は僕に飛ばないのと聞く。
君が飛べないのに僕は飛びたくない。
僕は君といたい。
だから僕は笑う。
いつか。
正しさが変わったら。
君とどこまでも堕ちよう。
涼維