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静寂
暗い
ぱたりぱたりとおちる雫
その音だけを聞く
音が消える
無音は嫌い
床に耳をつけて音を聞く
じぅじぅと小さな音
それはとても古い夢の奥の記憶
真っ暗なとても静かな音の記憶
独りにしないで
やわらかであたたかな君
君は誰が好き?
もちろん、大好きだよ
そばにいてくれる?
勢い良く振り返るコトなく駆けていく君
「大嫌い」
君に告げられた言葉
その時
僕はその言葉の意味がわからなかった
それまで聞いたことがなかったんだ
でも
とても困ったんだよね
ぱたりぱたりと音が聞こえる
ずっとずっと
終わりが恋しかったんだ
自分の存在こそが嫌いなんだ
いくら
愛しい世界でも
愛しい存在が溢れている世界でも
そこに自分の居場所が見えない
自分の望みも自分の形も見れない
自分がわからない
探してた言葉
それはきっと
「死にたいんだ」




