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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
52/400

甘く香る

甘い香り。

道を歩けば感じた香り。


それは白のクチナシより主張は薄く。



それでも確かに甘くそこに漂う。



見回せば、緋色に近いピンクの花。



ツツジが道を彩っている。



蜜の存在を知らせるかのような甘い香。




風に花は揺れ緑の風に甘さが混ざる。


晴れた空に風は甘さを含んで旅立っていく。

この甘さは君に届くのだろうか?



明るく笑って飛び跳ねる君。


跳ねる髪もイキイキと未来(サキ)を見据えるその瞳も。


全てが愛おしい。



甘さを含んで香る花。




その甘さに君を思い浮かべる。


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