表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
399/400

春のフォログラフィ

軟らかい、柔らかいあまやかな何かが欲しくて手を伸ばす。

届かない世界でただ手を伸ばす。

どこに向けて?

それはきっと未来に。

やさしいモノが欲しいのかしら?

きっとそうなのかもしれない。

春の陽射し。

花揺らす風。

澄んだ水面に映り込む大空。

世界は煌めいて美しい。

私の居場所はそこに在る?

それが見えないのがきっと心もとなく頼りない。

易しいその場限りの安寧はいらない。

欲しいのは強く在れる自分への優しさ。

自分が強く在れる安寧を自らに許したい。

私はこの美しい世界での居場所が見えない。

世界は美しい。

それはガラス越しの蜃気楼。

軟らかく柔軟にありたい。

どんな風も受け流せるしなやかさを持ちたい。

受けた痛みを感じる自らを持ちたい。


遠い遠い蜃気楼。


春の日差しはうららかに。


ガラス越しの蜃気楼は私を傷つけることも癒すこともない。


手を伸ばす。


すり抜ける彩はただのフォログラフィ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ