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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
396/400

朝の金魚鉢

冷たい夜の明ける朝

すべて包みこみ

焼き尽くさんばかりの朝


澄んだ朝の光に

冷たく濡れた夜は蒸発してゆく

僕の体はまだ重く


抜き出した内臓は金魚鉢


空っぽの僕は窓を開ける


陽射しはじぐじぐ僕を苛む


陽射しはじぐじぐ僕を包む


冷たく冷えた僕を熱する


朝の光は




僕に生きろと熱する





光は暖かく熱く



どこまでも容赦なく


僕を包む



からりと上がる熱の中


僕は蜃気楼の今日を歩く



脱け殻な僕は金魚鉢を見つめる


真実に

夜はまだあけない


僕はまだ重い枷を見つめてる

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