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茜の孔雀
ぎょろり
ひとつの目がぐりぐりと回転する
それは顔面の半分を占めている
目玉を引きずり草地を歩く
いくつもの目玉が
ぎょろりぎょろり
どこもかしこも見渡して
言葉を送ろうにも
声はどこにも届かない
赤紫の茜色
真実を見て知っていながら
届ける術を失った
閉ざされた秘密のうちで
ぎょろりぎょろり
瞳を彷徨わせずにはいられない
逃れる道はなく
そこが己が場所と知りつつも
誰もなにも
届く場所にない心細さ
ずるずると引きずる尾先の目玉を気遣う友はココにない
閉じた檻のうちで
無力に沈む
孔雀
目玉
赤系




