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水晶迷宮の蜥蜴
薄暗い青い水晶の森
空に見えるは青い月
さやかに流れる水音
つたう葉も青い水晶
心の刃は言葉の刃で
身も心も切り裂いて
砕かれる水晶が舞う
キラキラときらめく
魅せられるのはキズ
そこに生まれたるは
心の種を選ぶことは
自らの選択のみ
蜥蜴の王が青い月を
水晶の迷宮で見上げる
自らが心を守るは自ら
自らの支配者は自身
キズつくことを恐れ
自らに刃ふるう
赤く濡れた足下に
手を伸ばしても自らを
支える己がないのなら
そこに育つ種も落ちていく
薄暗い青い水晶の森
迷宮神殿は心の内に
守り蜥蜴はただ静か
静寂の中でただ眠る
蜥蜴
守り
水晶




