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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
270/400

親子丼





 鶏肉をたまごでとじてご飯の上にのせる。

 焼き鮭をほぐしたものにいくらを散らす。





「どっちがいいかしら?」


 楽しそうなハミングまじりの問いかけ。

 炊き立てのご飯があげる白い湯気。

 できあがるたまごはとろとろ半熟。

 白いご飯に赤く散る小さなたまご。


 選ぶのが難しくて頭をねじる。

 ことんと置かれた湯呑みには茶柱一本たっていて。


「あら、縁起がいいわねぇ」


 早く決めてねと笑う声。


 今、同じ言葉をあなたに向ける。


「どっちがいいかしら?」


 あなたはあの時の私みたいに頭をねじる。


「親子丼か、海鮮か」


 あなたがそんなことを言うものだから、私は楽しくなってしまう。

 そっと言い返していいかしら?


「両方とも親子丼だと思うのよ?」


 選びきれないあなたは曖昧に頷いて、そっと私に決意の眼差し。


「じゃあ、半分こだな。よし、それでいいな!」


 私は笑いをかみ殺しお茶をあなたの前に置く。






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