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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
251/400

ひとり

一人の部屋

独りの部屋


何時も一緒だった

離れる時が来るのは理解してた


ひとつがふたつになって


ぼくらはうまれた


ひとつだったふたり


それでも


ひとりとひとりだから


独りじゃなかった



それぞれの呼吸の仕方は


ゆっくりと


じんわりと


ずれていく




君がいたから

生きてきた



君がいたから

心から笑える




きっと


さよならは言わない


だってどこかで


そう魂の奥で僕らはひとつだから


鏡越しガラス越しぐらいに


僕らは違っていく


君は君の空に手を伸ばし


僕は僕の空へ一歩踏み出す


よく似た違う空を見よう



違う空を見上げても





いつだって




一緒



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