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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
232/400

壁ごしに


白い朝日。

このまま動けなくなればいいと思った昔。

生温く体温の残る床。

ガラスの壁から降り注ぐあたたかな太陽の光。

動かない。動けない。

体は重くこわばっている。

わかってる。

これは夢。

今は、自由に動いていいんだ。










でもね……








それが




どこまでもこわいんだよ。






のぞむのぞむ望む。




あの降り注ぐ光。




自身を焼き尽くし命を燃やす光。



光に焼かれ終わりの刻まで










なにも思考せず




なにも感じず





なにも知ることなく

















眠っていられればいいのに










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