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てのひらのあか
そっと両の手を見る
特に苦労を知らないきれいな手
手は朱に染まっていないけれど
けしてきれいだと笑っていいものでもなくて
見えない赤の上に俺は立つ
それでもかえるわけでない赤のために泣いて悔いて生きるなんて道は選べない
泣けば
嘆けば
悲しめば
かえると言うのなら嘆くだろう
かえらない
かえってはいけない
命はいつだって一方通行
だから全部を飲み込んで笑う
行き先が分かれていても選べる道はひとつ
一歩たりとも時間を戻って歩みなおすことなどできはしない
かえらない
かえれない
かえってはいけない
道は一方通行
迷う
惑う
それでもとまることはない流れ
かえらない
かわらない
かわっていく
時間が知識がふれあいが
俺達を流し道を進めていく
たどり着くゴールなんて見えない
それでも
かわらずに
かわりながら
一方通行を進むんだ
いつか
流れた赤に伝えたい
一生懸命に楽しんだよ
だから
ありがとう




