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赤い花
レオさんに♪
ぱたっ
ぱたぱたと床に赤い液が落ちていく。
安っぽいリノリウム。
薄緑の床に赤い花が散る。
薄青い照明はLED。
赤い花を引き連れたのは長く伸びる人影。
青白く照らされた肌。楽しげに弧を描く口元。肩でばっさり揃えられたシルエットの暗い色の髪。
女は無造作に手に持ったものを放り投げる。
ぐちゅり
鈍い音をたてて赤い花が大輪を広げる。
照らすのは小さな光を広げる貧弱な数本の蝋燭。
「今日のレシピは鶏鍋。鮮度のいいものを絞めたわ」
鈴を転がすような声。
ぱちん
「あとは、あなたの肝臓をもらえば完成だわ」
「ね」
蝋燭の光が磨かれた鋏を照らした。
そして
…………
「さぁ、召し上がれ」




