生死観
食事を持って部屋へ行けば、ずり落ちかける下半身が見えた。
咄嗟にサイドテーブルに食事をおき、その足をつかんで引きずる。
気怠い苦情。
そして思いついたようにタブレットを操る。
その指先で描き出すのは苦境をこえる人々の生きる世界。
友情と愛情。逃げるコト。立ち向かうコト。
始めて読んだ時、登場人物の一人が命を落とす時、最後まで生き足掻こうとし、死んでいく様に涙がこぼれた。
その時、共感してたのは必死に救命してた少女だった。
命の零れ落ちていくサマに浸るコトなく、次のケガ人の元へと師匠に引かれ、笑顔の裏で苦悩し、割り切れず疲れ、潰れていく少女。
タバコの臭い。落ちたのであろう火元。
雨の降った日でなければ慌てただろう。
描かれる世界を進めて欲しいと求めてしまうが、それが命を削っているコトを思い出す。
放っておけば電池切れ警告が出るまでそこに住む人々の人生を描き続けるのだろう。
主な症状は栄養失調。
カロリーも栄養も足りていない。
そして本人が生に執着していない。
『向こう側』の世界に生き充足を得た君は生きた肉体を面倒な荷物とみなす。
それでも私はあの潰れかけた少女のように希望を得たい。
君を失いたくない。
描かれていく世界を失いたくない。
君は世界の創造神。
傲慢だと言われても、君を生かしておきたいんだよ?
君は私の生きる上での救世主。
本当は取り上げたくないんだ。
でも、君がいなければ世界は終わる。
世界を作る神こそが魔王。
タブレットを取り上げ、食事を促す。
お腹に優しい柔らかな薄味。
魔王を遠ざける勇者の務めは誰かがしなくてはいけないですね。
ねーとにあ、生きることすら面倒な物書きと患者の存在をすぐに忘れる医者のどちらかが、誰かのヒーローになるまでの話書いてー。 http://shindanmaker.com/151526
医師視点……




