電波くるくる
「と言うわけであなたが私の運命を探すのよ!」
ピシリと突きつけられる指先に興味なさげに基盤にあてていたこて先を置き場へと戻す。
「それで、探している運命の特徴はなんなのかな?」
「黒くて丸くて小さくてふわふわしてるわ!」
「そうか。あまり大きく動くと危険だから気をつけたまえ。コテの温度は四百度近いのだから」
「私に当たるはずがないわ!」
「苛立った私が当てるかもしれない。……大人しく?」
「私はいつだっておとなしいわね。お茶もでないのかしら?」
するりと応接セットのソファの一つに座る少女。細い黒のカチューシャからは先端に黒いハートのクリスタル飾りを貼り付けた触角が二本揺れている。
尋ねれば電波を受ける受信機だと答えるコトを知っている事務所の主はなにも言わない。
どちらかと言えば接着面が甘そうだなと言うコトの方が気になっていた。
ピンクを含ませた白に近い清楚な桜色のワンピース。同色のレースとフリル。髪は黒のゆるふわ。
靴は光沢のある黒。
少女の定番の姿だった。
「今、出そう。ジュースでイイかね?」
「リンゴ酢ジュースで良くてよ」
電源を落とし、作業手袋を外して作業机から立ち上がる。
「マンゴージュースで我慢したまえ。開封済みだ」
「ちょっと、それ消費したいだけじゃない」
応接セットのテーブルに置かれるジュースは三つ。
事務所のドアが勢いよく開けられる。
「すみません! うちのペットを探して欲しいんです! 羽ネズミで体毛は黒で希少種なんです!」
「対価次第だわね!」
「ぇ? あの?」
「まずは一口飲んで落ち着きましょうか」
「ぇ? え?」
古びた雑居ビルの事務所は何処か薄暗く埃はないのに雑然と。
フリルとレースの少女が指を突きつけビジネススーツに作業エプロンの女が黄色いどろりとした液体を差し出す。
非常識マイペースな空間に依頼人の不安感は募る。
それでも依頼人は口にする。
「私のワルキューレを見つけてください」
「今回はワルキューレかね」
「食べてイイ?」
「ダメです! 私の最愛なんです!」
「ミューズは最愛から転落かね?」
「等しく最愛なんです!」
ねーとにあ、悪魔のような性格の電波少女と方向性を間違ったアーティスト、彼らが遭遇した面倒なお願い事(依頼)の話書いてー。 http://t.co/33xpY0ROho
女探偵(アーティスト?)
電波少女
依頼人




