人生行路2
お題
着ぐるみ男と女探偵。
「実はクッキーが食べたい」
「棚の上に買い置きがあったと思うね」
「手作りのバタークッキーがいいんだ」
「作ればいいだろう?」
「この手でかい?」
彼女が書類から顔を上げて映るその手は密に編まれた編みぐるみ仕立て。ところどころにぼこぼこした疣のようなものがある。モノを持つにはあまり向いていない。
「君はこの私に作れというつもりかい? 手作りを売りにしてるパン屋でも訪ねればいい」
「あー、じつはね、言いにくいんだけどね」
「じゃあ黙っていればいい。沈黙は実に有益だ」
切って捨てようとする彼女の態度に着ぐるみがあわてて大きな動きで手を左右に振る。
「いやいや真実に蓋をしてどうするんだい? 君、探偵なんだし、もう少し好奇心をだね」
「君はわかっていない。探偵に必要なのは忍耐力と税務対策だ!」
「それは探偵に限らないと思うね」
「まったく、好奇心は身を滅ぼすという言葉を知らないのかい?」
「それは全うな勤労者用の言葉だろう? 社会の浮き草のような職種についている自覚はあるのかい? 調査依頼ときたらペット捜索ばかりじゃないか。どうしてこの格好で私が浮気調査やストーカー対策依頼をこなしてるのに」
「……屈辱だよ。なぜ、こんな怪しい着ぐるみが信用されるんだろうね」
「無論、このあふれ出る信用できる人柄オーラに決まっている!」
「見えないね」
「真実に蓋してはならない! 材料がすでに常温準備中だ!」
「なんだと!? 食費をなんだと思っているんだ!」
「ちゃんと稼いでる自腹だ!」
「まったく何故こんなことを……」
キッチンでボウルを抱えながら彼女は不満げに呟く。
そして着ぐるみも心配そうに呟きをこぼす。
「ダマが残って……」
「わかっている!」
「もう少し優しく」
「混ざればいいだろう!?」
「なぜ出来が悪いんだ?」
「その発言は本気かい!?」
ねーとにあ、この二人の着ぐるみ日常書いて♡ とか言ってみたい(*´∀`*)ノ 楽しそう♪
リクエストありがとうございましたv




