しゅてるん
こぼれる汗のしずくがコンクリに染みを作る。
かたんと背をガラス戸に預ける。
うつろな眼差しで見る周囲は雑多に明るくて闇に遠い。
指先にもてあそぶ糸の束。
ぶぶんっと室外機の音が身体の芯に響いていく。
汗が染みを作る。
伝い落ちる汗でないもの。
声もなく体を震わせる。
室外機の振動が身体を揺らす。
都会の夜は雑多な眩しさと生温い室外機の熱で汗が滴り落ちる。
「みぇない」
からりとガラス戸が開く音。
「なにしてんの? おとなりさん」
パンを齧りながら青年が問う。
「星をね、見ながら糸を編みたかったの」
答えた少女のいるベランダを青年が覗き込む。
「泣いてんの?」
「泣いてない」
「おまじない?」
「うん。呪い」
「のろいって」
ははっと青年は軽く笑う。
「熱中症になるよ」
「だって星が見えないの」
「そぉ? 俺には星が見えるよ?」
「見えないわ。ネオンが五月蝿すぎて」
「きれいな地上の星だよな」
差し出されるペットボトル。
「飲んで。星がさ、見えないなんてことはないんだよ?」
「見えないもの」
「足元を見て」
「?」
「俺達は、星の上に住んでいる。星はいつだって見えてるよ」
とにあさんは、「夜のベランダ」で登場人物が「見つめる」、「糸」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://shindanmaker.com/28927




