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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
132/400

七夕

ゆっくりと呼吸を吐き出す。

君との時間が近付くと世話をする手に力が入る。

不満げなつぶらな瞳に慌てる。

「悪かったよ」

不満げに頭を逸らされる。

「君だけだ」

だけど、

年に一度の今日だけは彼女のためだけにあるんだけど。

それ以外は全部君のものだ。

約束しよう。

必ず戻ってくると。


だから、

今日だけは

今日この日だけは


逢瀬を見ないでくれ



君のコトももちろん愛してる



しかし、彼女は特別なんだ





「ねぇ。わたくしと牛。どちらを愛してらっしゃるの?」

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