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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
130/400

カタコト

カタコトと風が窓を揺する


カタコトとその音に耳を傾け文字を打つ


ゆっくりと上がる煙


懐かしいような遠い匂い



ここには誰もいない


心が届くことはない


カタコトと風が叩く


カタカタと指が叩く







明日


あした会った時に伝えるわ


そう言って別れた君


君のあしたはいつなのだろう


僕は待っている


君があしたと言ったから



カタコト風がベランダの窓を鳴らす


僕はただ


カタカタと音を立てるキーボードを見つめる




キーボードを見て思うこと



ああ


早く明日が来ないだろうか?



君と約束した明日が来ないから


僕の時間も動かないんだ

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