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カタコト
カタコトと風が窓を揺する
カタコトとその音に耳を傾け文字を打つ
ゆっくりと上がる煙
懐かしいような遠い匂い
ここには誰もいない
心が届くことはない
カタコトと風が叩く
カタカタと指が叩く
明日
あした会った時に伝えるわ
そう言って別れた君
君のあしたはいつなのだろう
僕は待っている
君があしたと言ったから
カタコト風がベランダの窓を鳴らす
僕はただ
カタカタと音を立てるキーボードを見つめる
キーボードを見て思うこと
ああ
早く明日が来ないだろうか?
君と約束した明日が来ないから
僕の時間も動かないんだ




