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どろり
どろりと溶けてく
どろりどろりと
オレンジ色が溶けていく
あがく残滓が目を射抜く
どろりと溶けてくのーみそで
「ねむい」
呟いた
こぼれた音はネムイ
どろりどろりといきすぎた熱に
溶けてくキャンディ
きっとどこまでも溶けていく
意識が溶ける
太陽の蕩ける夕方に
どろりと溶けてく
空のキャンディ
アレが
それが
欲しくてたまらない
手を伸ばしても届かない
見惚れることだけでせいいっぱい
欲しくてたまらないのです
灰色に色褪せた青空に溶けていく
オレンジ色のキャンディ
手に入れたい
それは
どろりどろりと
ぐずりぐずりと
溶けて闇に消える




