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囚われる
恋をした。
だから貴方の心に留まりたかった。
でも貴方の瞳に私は写らない。
私を写す貴方の瞳は私を写さない。
素通りする眼差しが寂しくて。
いつしかただ
貴方に見て欲しくなった。
うとましく思われるのでもいい。
嫌われても憎まれてもいい。
私を見て?
どうしたら見てもらえるのか。
私は貴方に囚われた。
そして
私はようやく貴方の瞳に写してもらえた。
貴方ははじめて見るかのように瞳を瞬かせまっすぐに私を見る。
瞬間よぎった嫌悪の色。
それでもよかった。
貴方が私を見てくれた。この喜び。
「よろしくおねがいします」
挨拶した私に貴方は嫌悪を押し殺す。
「よろしく。義母さん」
ゆえり




