大切な人
静香です。またもや短編小説を書いてみました。今の世の中こういう恋愛がもっと増えていってほしいなと思う今日このごろです。
ああ。。。今日も学校か。。。かったるいな。。朝、いつものようにだるいが第一声の私。
髪をブラシでとかしながらぼやく。「まなーゆうき君が迎えにきてくれたわよ」一階からお母さんの高い声がなり響く。玄関にいつも元気なゆうきが私を待っている。「まな、おはよう。何だお前その顔、朝からしゃきっとしろよ」はらがたつがさわやかな笑顔に少し元気がでた。
「だって、学校行きたくないんだもん」「何かあったら俺に言えよ、守ってやっから」「ありがとう」私はいつもゆうきの言葉に元気づけられる。ゆうきは私の小学校からの幼馴染だ。私は小さい頃から人見知りで集団生活にもなじめないでいた。性格も暗く友達などいなかった。そんな私を見ていたゆうきは私を毎日むかえにきてくれるようになった。ゆうきがいて私も心強い。一人だと学校までの道のりが重く感じるけれどゆうきと一緒にいると道のりも少し軽くなる。「まな、大丈夫か?」心配してくれるゆうき。「うん、今のところは」短い言葉でかたずける私。「そっか」ゆっくり歩いているのにもう学校についてしまった。ゆうきが私の背中をポンと軽くたたく。校門から一歩足をふみだす。ゆうきと私は同じ高校で同じクラスだ。だから何かあってもすぐ分かってしまう。私の机は一番後ろ。前がゆうきの席だ。なんだか私の席だけ暗くうつるのは気のせいかな。私は勉強は嫌いではないけれど大勢でひとつの教室を共有するのにいつも疑問を感じていた。そんなことを考えているうちにみるみる根暗になってしまった。給食の時間、私はお弁当を持って屋上に向かった。いつも私は屋上でお昼をすませる。空をながめながら、雲とおしゃべり。独り言だ。昼をすませた後スカートなど気にもせず寝転がった。もうすぐで午後の授業だ。屋上をでる、後ろからふと声をかけられ私はびくついた。「あの。。。あなたゆうき君の幼馴染よね?あなた、ゆうき君と付き合ってるの?」隣のクラスの女子だった。「あ。。。。違います。幼馴染ってだけで。。」私はしどろもどろに答える。「そうよねえ、付き合うわけないわよね、ゆうき君かわいそうに。。あなたがいつまで弱いからゆうき君いつもあなたにしばられてるのよ、私ゆうき君が好きなの。だからあなたゆうき君から離れてよ、分かったわね」私が返事をしないうちにいってしまった。私は長い間その場に立ち尽くしていた。私・・・一人・・・
ゆうきはまなが午後の授業に戻らないのをとても心配していた。まな・・・どうしたんだ・・
ゆうきは「先生、ちょっと保健室に行ってきます」と教室を勢いよくでた。「まな?おいどうした?」私は廊下の窓から顔をだしてぼーっとしていた。「こないでよ・・・もう私にかまわないで」「どうしたんだよ、急に」「ゆうきは私がいるから自由になれないんだよ」「何言ってるんだ、俺はお前のことを心配して・・・」ゆうきはまなの手をつかむ。「はなしてっやあっ」涙がいっぱいわきでてくる。ゆうきの手は力強かった。いつも優しく背中をポンとたたいてくれるような手とはまた違う手だった。「俺、お前のこと一生守るって決めたんだ」「ゆうき。。。」手がぐいっともっていかれゆうきが私を抱き寄せた。少しおびえて震える私。涙が止まらない。ゆうきが震える私を見て抱き寄せた手で背中を優しくなでてくれた。「大丈夫か?ごめんな。」「うん・・・」ゆうきが手を離し優しい手で私の涙をぬぐいとってくれた。そして、急に視界が真っ暗になった。ゆうきが私の口にキスをした。
いかがでしたか?前回の作品とはまたがらりと変えて考えて書いてみました。主人公まなのような子にとって守ってくれる、そばにいてくれる人は大事な存在なんです。あなたのそばにも守ってあげたくなるような人はいませんか?