表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無加護ですが、成長上限がありません 〜世界を逸脱した少年〜  作者: ジーコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/18

第8話 旅立ちの装備と、風を裂く気配

今日は旅立ち準備の回です。

セシルがついに“自分だけの装備”を手に入れて、

物語も一段進みます。

そしてラストには、あの人物が……。

ベルナ村へ向かう帰り道。

夕焼けが森を赤く染め、二人の影が長く伸びていた。


「……ふぅ。ラザール様って、やっぱりすごかったな」


緊張が解けたのか、セシルは肩の力を抜いて息をつく。


「うん。でも、ちゃんと優しい人だったね。

 強いけど、怖くはなかったよ」


ミーナがほっとしたように笑う。


「とりあえず……鍛冶屋、行こうか」


「うん!」


二人は鍛冶屋バルドの家へ向かった。


鍛冶屋の扉を開くと、金属の熱い匂いと、火床の赤い光が迎えてくれた。


「おう! 帰ってきたな!」


バルドが顔を上げる。


「ラザール様に会ったって聞いたぞ。

 ……お前、本当に大物になるかもしれねぇな」


「そ、そんなことないよ」


「へっ。まあいいや。ほら、こっちに来い」


バルドは棚から布に包まれた荷を取り出した。


「ずっと用意してた、お前の旅装備だ。

 成長すると思って作っておいたんだ」


セシルは息を飲む。


バルドは一つずつ手渡していく。


「まず、胸当てだ。軽いけど丈夫に仕上げた」


セシルが身につけると、奇妙な安心感が広がった。


【バルド特製・胸当て(小)】

効果:VIT+3

耐久:50/50



「次は籠手。腕を守るだけじゃねぇ。集中も続く」


【バルド特製・籠手(軽)】

効果:RES+1

耐久:40/40



「これは脛当て。足運びがしやすくなる」


【バルド特製・脛当て】

効果:VIT+1

耐久:35/35



「最後は、古剣に合わせて調整した剣帯だ。

 お前の剣、普通じゃねぇからな……気をつけて扱えよ」


【バルド特製・剣帯(調整品)】

効果:抜刀速度微向上



セシルは古剣を腰に収めた。

古剣がかすかに光る。


【古剣(分類不可)】

攻撃補正:+6(ATK)

耐久:60/60

活性度:中

属性:不明



装備を整えたところでUIが表示された。


【セシル(見習い剣士)】

レベル:5


HP:33

MP:10


STR:10

VIT:12 → 16

DEX:12 → 13

RES:9 → 10


ATK:10(STR)+6(古剣)= 16



ミーナが両手を胸の前で握る。


「すごい……セシル、本当に強そうになったよ!」


「そ、そう?」


バルドは鼻を鳴らした。


「中身も鍛えろよ。……でも似合ってるさ」


セシルは照れくさく頭をかいた。


鍛冶屋を出たところで、ミーナが控えめに袖をつまむ。


「……ねぇセシル。

 ちょっと家に寄ってもいい?

 お父さんとお母さんが、わたしに渡したい物があるって」


「もちろん。行こう」


ミーナの家は、花壇の花がいつも綺麗に咲く、暖かい家だった。


ミーナが扉を開ける。


「ただいま!」


「おかえり、ミーナ」


暖炉の前に、ミーナの両親――ダリオとリオナが立っていた。

穏やかだが、その雰囲気はどこか“鋭さ”を帯びている。


(……この人たち、ただもんじゃない)


セシルは瞬時に察した。


ダリオがローブと杖、靴を差し出す。


「ミーナ。

 お前がいつか旅に出る日は来ると思ってた。

 これはその時のためにずっと取っておいた」


ミーナの目が潤む。


リオナがやさしく肩にローブをかけた。


「これ、昔わたしが冒険者だった頃に使ってたの。

 いまのミーナにちょうどいいわ」


【ミーナ(見習い魔術師)】

レベル:2


HP:16

MP:20


STR:4

VIT:6

DEX:8 → 9

INT:10 → 11

MAG:11 → 13

RES:8


装備:

・小魔力杖(INT+1/MAG+1)

・旅人のローブ(MAG+1)

・軽歩の靴(DEX+1)


魔術:

・ライトショット

・ヒール

・シールド


スキル:《導き》



ダリオはセシルにまっすぐ視線を向けた。


「セシル。娘を頼む」


「もちろんです。ぼく、一緒に強くなります」


ミーナはちょっとだけ頬を赤くした。


「……一緒なら安心、かな」


リオナは優しく微笑んだ。


二人が家を出ると、夜の空気が冷たく澄んでいた。


セシルが少し伸びをする。


「今日は本当にいろいろあったな」


「うん……でもね、なんか……」


ミーナが急に足を止め、森を見つめる。


「……風の流れが変だよ」


「え?」


次の瞬間。


――ザシュッ


まるで刃が空気を切り裂いたような音が響く。


セシルとミーナは反射的に振り返った。


村の入口に、月明かりを背に一人の老人が立っていた。


荒れた外套、銀の髪、鋭い眼光。

ただ立っているだけで、圧倒される気配。


ミーナが震える声で囁く。


「……だ、だれ……?」


老人は静かに、しかし絶対的な存在感を纏って言った。


「この村に――セシルという少年がいるな?」


その声はまるで“試すように”、夜気の中で響いた。


セシルの胸が激しく高鳴る。


剣聖ゲイル――。


彼との出会いが、この夜おとずれた。

読んでくださってありがとうございます!

今回はセシルとミーナ、それぞれの“最初の装備”が揃いました。

ミーナの両親の元冒険者設定は、後々さりげなく効いてきます。

次回はいよいよ、剣聖ゲイルとの対面です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ