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推しに貢ぐ。ということ

作者: 秋暁秋季
掲載日:2024/08/11

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

『何? アンタ100万で良いの? ほれ』

推しているはずなのに、このドライさ。

この愛情のない推し活って、推し活と言えるのか。という。

ソシャゲのキャラは限界突破という仕様がある。同じキャラを重ねる事で、より強い技、スキル、効果を得られるのが一般的である。

私もソシャゲプレイヤーとして推しがいる。今のままでも特に不満無く使えるのだが、やはりキャラ愛があると重ねたくなるのが性である。


――君はこれ以上強くなりたい?

――君が望むなら、今持ってるリソース注いであげる。勿論、早く来て欲しいけど。


想像で推しに問い掛ける、その時の私の表情。熱意もなく、焦燥もなく、愛情もなく、興味が無い故に、ただ淡々と容赦なく物を捨てる人間のそれだった。

その時思い知ったのだ。彼の愛情は確かに存在しているが、恋焦がれる様な熱さはないと。


『推しに貢ぐ』という行為は、此方を向いて欲しいという熱意や、素っ気なくされた時の焦燥、そしてその二つが満たされた時の愛情で構成されている。

故に推している最中というのは、ある意味その人、そのキャラに恋をしているのと同義なのだ。だからこそ報われなかった時の怒りと言うのは、何倍にもなって自らに帰ってくるのだが。

だが今の私はどうだろう。簡単に捨てられる、大して大切では無い物を容赦なく注ぎ込む。考えているのは彼ではない。全く別の彼では無いキャラの事。人権と称される彼らの事。

浮気だと彼は怒るだろうか? 『僕が一番じゃないのかい!?』と。いや、とんだキャラ変だな。


「君の愛情は冷たいねぇ。まるで『金入れるから何しても文句を言うな』と言ってる様だ」

「推してはいるよ? 居ないと違和感が凄くてゲーム辞めちゃうと思う」

それくらい、始めたてホヤホヤの時からずっと一緒に居てくれたキャラだった。だから出来る全てを費やして、最強にしている訳だが。

「でも……そんな簡単に捨てられてしまうのと、私の中で同列になったのが心苦しい」

昔はもう少し惜しんでいたはずなんだけど。何連も回して出た時の喜びを噛み締めていたのだけど。今はもうかなり義務的になっている。


――あと何体必要なの? あそ。引くから少し待ってて。

――はい。これでカンスト。火力見てみるか。


余りにも淡々とした問い掛けに、ある漫画の名言が浮かぶ。

そんな価値の無いものと、貴方と共に過ごして来た相棒と、同列に並ぶと思っているの?

その答えを私は言えない。

かなり嫌味な話に思われるかも知れません。


もうすぐ全てが終わってしまう最中で、ピックアップ来た時、『ま、引いとくかー』というノリだったんです。

それに恐怖を覚えたんですよ。


昔はキャラを引く為のアイテム(通称・石)が枯渇していてたので、推しが出たら死ぬ程喜びましたし、出なかったら、この世の終わりみたいな叫び声を上げたんです。


でも今はキャラも揃って来たし、推し以外引く必要が減ってきました。石も少しづつ貯まります。

そうして石が飽和状態になった今、一喜一憂する事も無くなったんです。


つまり今の私にとって、キャラを引く為の石はそこまで重要ではなく、それと同じくらいの感情を推しに持っている。無価値なものと同じ感情を持っている。

この、物凄く冷ややかな感情に恐怖を覚えたんです。


普通、風俗とか推しキャラの課金に数百万円突っ込んだら、相手の反応によって、一喜一憂するじゃないですか。

『金返せ』なんかがいい例で。

※これに対して『貴方はテーマパークで遊んだ後、金返せって言うの?』と返します。


でもそれさえない。あるのは無感動。


何かに『狂える』って、それだけ感情が乗らないと無理なんですよ。

『飽きる』という言葉と、ある意味対極だと思いますよ。

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