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エピソード34 海辺の告白

「な、何よ・・・。リアなんて・・愛称で呼んじゃって・・・。折角!この私が相手してあげようと思っていたのにっ!」


女性はヒステリックに喚きだした。・・・ひょっとして・・アルコールに酔っているのかなぁ?


「ふざけた事言うな。お前・・つい3日位前まで王子に付きまとっていたじゃないか?だが、見込みがないと思って、他の男たちに声を掛け・・全員に振られて、最後に俺のところに来ただろう?」


すると何を勘違いしたのか女性は不敵に笑うと言った。


「あら?何よ・・あ!ひょっとして・・・一番最後に声を掛けられたのが自分だったから気に障っていたの?な~んだ・・それならそうと早く言ってくれればいいのに。」


何故か女性は嬉しそうに言う。そんな彼女を訝し気に見つめるアレク。勿論私も何故彼女が笑っているのか理解出来ない。


「一番最後にアレク・・・貴方に声を掛けたのはね、あの男爵令嬢と仲が良かったからよ。最初はもう2人は付き合っているのだとばかり思っていたけど・・あの子は時々王子様にもちょっかいだしてたし・・。だから貴方も遊び相手にされてるだけだと思ったからよ。私は2人の様子をうかがっていたのよ。」


「ちょっかい・・?あいつの気持ちを知りもしないで・・・。」


アレクの怒気を含んだ声が聞こえてくる。


「ねぇ、貴方達・・付き合っていないんでしょう?私ならすぐにアレクと付き合ってあげるわよ?」


そう言いながら何故か彼女は羽織っていたシャツを脱いだ。その下はキャミソール姿だった。ま、まさか・・身体を使ってアレクを誘惑するつもり・・・?

ドキドキしながら私は手元のビールを一気飲みする。アレクは一体どう出るつもりなんだろう・・?

そのまま見物していると、彼女はアレクに近付いて首に腕を巻き付けると言った。


「どう?私と今夜・・一緒に過ごさない?どうせ彼女には相手にされていないんでしょう?私ならいつだってアレクを受け入れてあげるけど?」


ズキッ!

その言葉を耳にしたとき・・・私の胸が痛んだ。まさか・・アレク・・その人と・・?

けれど・・・・。


「ふざけるなっ!さっさと俺から離れろっ!」


アレクは乱暴に女性の腕を振り払った。


「俺はな・・!お前のような女がこの世で一番大嫌いなんだっ!大体俺が誰を好きであろうと、お前にとやかく言われる筋合いなはいっ!さっさと早く俺の前から消え失せろっ!」


「な・・何よっ!馬鹿っ!この・・いくじなしっ!最低男っ!」


女性はアレクをののしると走り去って行き・・途中で派手に転んでいた。


「プッ!」


思わず見ていた私は吹き出してしまい・・・。


「誰だっ?!そこにいるのはっ?!」


アレクに気付かれてしまった。う・・・まずい!このまま岩場に隠れてやり過ごそう・・そう考えていたのに・・。


「そこに誰かいるのは分かってるんだ。早く出てこい、出てこないなら・・俺から行くぞ?」


えっ?!そ、それはまずいかも・・・。仕方がない・・・私は観念して岩陰から出てきた。


「エヘヘ・・こ、こんばんは。アレク。」


「リア・・・ッ!聞いて・・・いたのか・・?」


「う、うん・・・聞く気は無かったんだけど・・そこの岩場でお酒を飲んでいたら・・2人がやってきたから・・。」


アレクから距離を取って私は話す。


「リア・・・お前、また酒を飲んでるのか?しかもこんな寂しい場所で・・ひょとして・・俺を避けてたのか・・?」


アレクの顔が悲し気に歪む。それを見て私の胸はズキリと痛んだ。


「・・悪かったな・・お前の居場所に来てしまって・・。」


アレクは言うと、背中を向けてキャンプファイヤーの場所へと向かって歩き出す。

その寂し気な後ろ姿を見て、何故かこのままいかせてはいけないような気がした。


「あ・・ちょ、ちょっと待って!アレク・・ッ!」


慌ててアレクの後を追って走り出し・・・アルコールのせいか、私も先ほどの彼女のように足がもつれて白い砂浜に倒れてしまった。


「キャアッ!」


ドサッ!


すると・・・。


「大丈夫か、リアッ!」


私の転んだ気配に気づき、前を歩いていたアレクが振り返ると駆け寄ってきて右手を差し出してきた。


「あ、ありがとう・・・。」


手に捕まって起き上がると、アレクにそのまま強く抱きしめられて、耳元で囁かれた。


「リア・・・好きだ。」


と―。



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