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エピソード19 勝手に舐めないで

 着いた先はショッピングモールだった。しかもブランド品を扱う店ばかりで、さまざまな店が立ち並んでいたけれども、どれも私には手の届かない商品しか取扱していない。モール内を歩く人々も皆セレブみたいだし・・・。

折角来たのに、やっぱり私には無理だったか。きっとこのショッピングモールで私が買えるものと言ったら、せいぜい本か、アイスクリームと言った類しか買えないだろうな。思わず肩を落とすと隣を歩いていたアレクが言った。


「どうした、リア。元気がないようだが・・・さっきの事、まだ気にして落ち込んでいるのか?」


どうやらアレクは私が先ほどフォスティーヌの為に女性陣の前で悪役令嬢を演じたことを後悔していると思っているようだ。


「ハハ・・・それもあったね・・・。でもさ、どうせ・・ここの島で知り合った人たちは・・1カ月だけの関係だから・・そしたらもう二度と会う事も無い人たちだから、ここは割り切ることにしたよ・・て何?アレク。」


「・・・。」


見るとアレクは私の事を凝視していた。そして言った。


「お前・・・本当に1カ月だけの関係だと思っているのか?


「え?違うのっ?!」


まさか・・・このままサークルみたいなのを作って、ずーっと付き合っていかなくちゃならないのだろうか・・・?!


「だから・・お前、このサマースクールの趣旨を忘れたんじゃないだろうな?」


アレクはあきれ顔で言う。


「趣旨・・?やだ、覚えているに決まってるじゃない。ここで恋人や将来の結婚相手を見つけに来てるんでしょう?でもそれはカップルが成立した場合のみじゃない。私には関係ない話だよ。大体私にはそんな気は無いし・・・。」


笑いながら言う。だって私はフォスティーヌの付き添いで来たんだから・・。


「だからアレクは私にばかり構わない方がいいよ?いくら友達だからって言っても四六時中一緒にいたら他の女性たちに誤解されちゃうじゃない。だってアレクも恋人や結婚相手を見つける為に王子様についてきたんでしょう?あ、あのアイス美味しそう!」


私の視線の先にはカットしたマンゴーが乗ったソフトクリームの屋台の店が飛び込んできた。


「何だ?食べたいのか?だったら奢ってやるよ。」


アレクがにこやかに言うが・・。


「それはダメ。」


キッと私はアレクを見ると言った。


「何でだ?」


「私たちは友達同士でしょう?駄目だよ。奢ったり奢られたりっていう関係は。折角築き上げた友情関係が壊れちゃうじゃない。自分の欲しいものは自分で買うからいいよ。」


「リア・・・。」


複雑そうな顔で私を見てくるアレク。


「よし。それじゃ買ってくるね。ここで待っていてよ。」


「俺も行こうか?」


「いいってば。大丈夫。買ったら戻ってくるから。」


そして私は急いでソフトクリーム屋へと向かった・・・。





「なあ・・・それうまいのか?」


ヤシの木の下の木陰のベンチに座ってソフトクリームを満足げに食べている私にアレクが尋ねてきた。


「うん!もう、最っ高だよ!こういうのを食べていると、ああ・・・南国に来たんだなって感じるよねぇ・・・・。甘くて冷たくて、とっても美味しい。」


ニコニコしながらアレクに言う。


「ふ~ん・・・。」


「え?ひょっとして食べたかったの?だったら・・・。」


買ってきたら?って言おうと思っていたのに・・・・。


「え?少し分けてくれるのか?!」


アレクは言うと、私のソフトクリームを握っている手首を掴むとグイッと口元に持っていき・・・。


ペロッ


何と勝手に私のソフトクリームを舐めてしまったのだ!


「あ~・・たしかにうまいな・・ん?どうした?リア?」


「し、信じられない・・・。」


私は怒りで肩をプルプル震わせながらアレクを睨みつけた。


「ばかっ!最低っ!人のソフトクリームを勝手に舐めるなんて・・・・アレクの馬鹿っ!」


ショッピングモールに私の声が響き渡った―。





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