【都市まとめ】グランベール編
今では輸送の中心都市として有名なグランベールだが、かつては無人の土地だったことをご存知だろうか。そもそも各地の都市に対してグランベールは正式に都市としての認可を受けていないのである。
では誰が、どのような目的で街を造ったのか。そしてどのようにして、グランベールは交通の要所として認知されるように到ったのか、それを明らかにしていく。
第一章:謎の設立者たち
周囲を山と海に囲まれたグランベールは、今でこそ有数の工業都市として認知されているが、ではいったいどうやってそれを見出されたのか。ここでこの土地がもともと無人だったことを話すと、大抵の人間は、「それはありえない」と目を丸くした。しかし実際に、グランベールが設立されたのはここ数十年以内の出来事なのである。それまでこの土地は手つかずの鉱脈だった。
そこに偶然足を踏み入れたのが、小さな採掘キャラバンの一団である。彼らは世界を旅しながら、鉱石を採掘してはそれを売って生活をしている集団だった。その土地に立ち寄ったのも、そこに鉱山があったからという理由でしかない。
そこに街を造ろうと言い出したのは、当時のキャラバンの団長だった。それができれば仕事をしながら商売ができると考えたのである。周辺に街はなかったが、中小規模の集落や村は点在していたため、此処に街ができればその村人たちも移住してくるだろうという期待もあった。
しかしこの土地は海と鉱山を周囲に囲まれている。山の表面にも草木はほとんどなく、鉱山としてはこれ以上なかったが、定住できるほど作物が実る土地でもなかった。団員からも定住は難しいだろうという声が挙がった。
団長は団員たちを説得するため、街と街をつなぐ輸送機関を作ろうと考えた。周辺の村から機械とからくりに詳しい人材を雇い集め、数十年をかけて採掘した鉱石を利用した『蒸気機関』を発明し、蒸気機関車を完成させたのだった。
採掘キャラバンはその採掘事業と輸送事業で莫大な財産を手にした。そして町が完成して数年の間にキャラバンは解散し、団長は町長としてその後も街の発展に尽力したが、団員の半分近くは街を出て、その後の消息は不明である。
第二章:蒸気機関の発明と発展
機械を動かすための動力として、蒸気機関が発明されたが、それに行き着くまでの道のりは苦難の連続だった。はじめは人力か、馬車のように動物に引っ張らせる計画だったという。しかし想定する輸送距離の長さからしてこれらでは実現不可能であった。
当時、水を使った水車は機関として有名だった。近くの農村ではこれを活用した農業が当たり前であったし、水を動力とする考え方は浸透していた。そこで彼らは、水の代わりとなる動力の発見に勤しんだ。その次に身近なものとして『風』があったが、これは予測が不可能であり、強さもバラバラであったため扱うことは難しかった。
夕食の準備をしている最中、技師の一人が鍋蓋が不意にカタカタと音を立てて震えていることに気づいた。そして一瞬だけ浮いたことを目の当たりにしたその技師は、触れてもいないのに鍋蓋が浮いたのはなぜだろうと考えた。蓋を取り去り、鍋の上に手を翳すと、とてつもない熱気を感じた。技師は水を熱した際に生じるこの熱気こそが、空気を持ち上げているのではないかと考えたのである。
しかし焚火の熱程度だと、せいぜい鍋蓋を少し浮かせる程度の圧力しか生まなかった。そこでより熱を発生させる物質を探したとき、奇しくも周囲の鉱山で採れた鉱石が最も相性がいいものとわかった。
そこからは、動かす乗り物の形状や機械の仕組み、力の伝達経路などの計算……無数の失敗と実験の末に、技師たちは蒸気機関を完成させた。蒸気機関車が完成してからは、山間トンネルの建設や線路をつなぐ都市の選別を行った。
現在では世界各地の都市に線路をつなぎ、物資の輸送以外にも特産品の流通であったり、それまでほとんど不干渉だった街同士の関係を進展させることにも大きく貢献した。
現在では採掘事業の方は完全に終了しており、輸送事業と街そのものを発展させることで住民を増やし、経営を維持しているのだという。
まだまだ発展を続けるグランベールに今後も目が離せない!




