★18話 キャンプ 海★達也side
「さぁ、ついたよ〜!」
三浦のおっちゃんの車に乗って(無理矢理乗せられて)ついたのは青い海。
あの地獄の補習…蒸し暑い中、クーラーなしでひたすらプリントをやらされるという…が終わってゆっくり休もうと思ったのに…
オレはなんでこんなところにいるんやろう…??
三浦のおっちゃんの車を見送ってからオレ達は浜辺にでた。
「それにしても…すっごくきれいだね!私びっくりだよ!!」
理沙が海を眺めて感嘆の声をもらす。
たしかに海がこんな青いのは驚きかもしれんけど…
「それよりもオレは三浦が別荘を持ってるってとこにびっくりや。」
今日泊まるところは三浦の別荘らしい。
…普通に考えて一般家庭の人間が別荘なんて持ってるか…??
めっちゃびっくりやねんけど…
「同感。」
吉沢も疲れ切った無表情で答える。
「どうしたの?2人とも…元気ないよ??」
そんなオレ達を見て理沙がきょとんとした顔で聞いてきた。
それを見てふつふつと怒りが湧き上がってくる。
「元気ないよ??…じゃないやろ!!」
「オレらはクーラーなしのあの地獄の教室で補習という試練を終えたばっかりなんだぞ!?いきなりこんなとこに連れてこられても困るっつーの!!」
オレが怒鳴ると吉沢がオレの気持ちを引き継ぐように言った。
そうや!
オレらは補習終わったばっかしやねんぞ!
やっと夏休みに学校に行くというなんとも不快な思いをしたり、こんな猛暑の中クーラーもつけない教室で勉強するという地獄から解放されてクーラーのきいた部屋でのんびりできると思ったのに…!!
何が悲しくてまたこんな暑いところに来る必要があるんや!
オレらが抗議していると理沙がオレらの荷物を指さして言った。
「でも嫌がってるわりには、ばっちり泊る用意してるじゃない!」
オレのそばにはパンパンに詰まった黒い大きめのスポーツバッグ。
「それは…」
思わず言葉につまる。
…それは、おまえとキャンプってのをまぁまぁ楽しみにしてたから…
そんなこと、言えるはずがない。
「オレらだって気つかったんだよ!なぁ?」
どうしよって思ってたとき、吉沢が助け舟をだしてくれた。
「お、おぅ!!そうや!大体気つかって荷物詰めすぎて重いねん!」
オレが今機嫌悪いわけもちょっとはこの荷物にあるんや!!
もぅ重すぎてもたれへんわ…(涙
そんな感じで言いあっていると三浦が困ったように笑った。
「みんな!そんなことどうでもいいから先、荷物置きにいこ?」
どうでもよくない!!
心の中でつっこむ。
「そうだね!はやくいこ!ほら、達也!荷物持ってあげるから!」
そう言って理沙がオレの荷物をつかんだ。
「持ってくれるん!?ありがとう!オレ、めっちゃうれしい!」
やっぱ理沙っていいやつや!
さすがオレが好きになっただけある!!
まぁ女に持たせるんもどうかと思うけど…
オレはそんな常識に縛られへん!
人の親切は素直に受けるんが一番やからな!
理沙はオレのカバンを持ちあげて驚いたような顔をした。
「達也!これ何いれてきたのよ!?」
「はっ?何って…うきわとかスイカとか…あっ!花火もあるで!トランプもあるし!いろいろ暇つぶしのやつもってきたんや!ちなみにポケットには…」
ふふふ…
これを見て驚けよ?理沙。
車の中でひそかにそろえてたんやで?
「ほら、ルービックキューブや!」
ポケットからとりだしたのはさっき全部の面をそろえた暇つぶしの定番、ルービックキューブ。
理沙はあからさまにどうでもいいだろって顔をした。
ちょっとショックや…(涙
そしてなんでスイカ?とかいう顔をした。
慌てて持ってきた説明をする。
「あっ!今スイカいらんやろ、とか思ったな?それは間違いやで??海といえばスイカわりやからな!」
オレのおかげで今日のキャンプで暇になることはない!!
昨日あらゆる暇潰しの道具をバッグにつめこんだからな!!
「おい、おまえら!さっさと荷物おきにいくぞ!」
吉沢があきれ顔で言った。
その手にはちゃんと自分の荷物がつかまれている。
よぉ持てるなぁ…
オレはそんな元気ないわ…
まっ!オレの荷物は理沙が持ってくれたから大丈夫やけど!!
「おお!いくで!理沙!」
「はーい…」
後ろから理沙のちょっときれたような声が聞こえてきた。
そんな感じでオレは荷物がなくなって楽々で三浦の別荘にたどりついた。
さっさと中に入って荷物をおく。
「すご〜い!木の香りがいっぱい!自然って感じだね!」
理沙がすぅっと空気を吸いこんで言う。
まぁめっちゃ自然って感じやな。
でも夜、虫とか入ってきそうやし…
自然すぎてもどうかと思うが…
「それじゃ、荷物もおいたことだし…」
三浦がにこっと笑って手を合わせる。
多分次、理沙が『海だよね!』とかいうんやろなぁ…と思ってたら…
「ゆっくり昼寝でもするか!!」
吉沢がKY発言を。
あちゃー…
でてもうたなぁ。吉沢の空気よめない性格。
理沙と三浦があらかさまにいやな顔をした。
「ちがうでしょ!海だよ!海!!」
理沙が訂正するが…
「いや、オレは吉沢の意見に賛成やで!ちょと休ませてくれ!」
ちょっと今から海はきついわ…
ここ結構涼しいし昼寝にはぴったりやろ!
座りこもうとすると理沙に腕を引かれて無理やり立たされた。
「ダメでしょ?誰のために荷物もってあげたかしっかり考えてみてね?」
顔は笑顔やけど…
額に青筋立ってますよ…??
すいません…
心なしか黒いオーラもでてる気が…
「…オレのためです。」
理沙のただならぬオーラを感じて思わず敬語になってしまった。
「なら少しぐらい私達のわがままも聞きなさい!」
「…はい。」
オレ、撃沈。
やっぱり女は怖いです。
「じゃ、先に海で待っててね!」
いつのまにか機嫌を直した理沙が着替えるとかいって別の部屋に移動した。
…海か。
しゃーない。
ここまできたらもぅ行くしかないな。
それに…
どうやら、これの出番がきたようやな…!!
「さ、斎藤…何1人で笑ってんだよ…」
後ろで吉沢のおびえたような声がしたような、してないような…
あっという間に着替えたオレ達は猛暑の中の砂浜へ。
「…暑いな。」
「ああ、あの教室よりも暑い。」
そんなオレ達の手にはパラソルとシート。
もちろんオレが持ってきたものや。
「さぁ、さっさとこれたてて昼寝タイムや!」
「おお!もしかしてそのためにパラソルとシートを…!?」
「そうや!理沙達がくるまえにさっさと立てて昼寝してしまおうという作戦や!」
名づけて!
『寝てしまえばこっちのもの作戦!(?)』
そうと決まれば…!
さっさとパラソル立ててまうで〜!!!
やる気満々のオレ達はあっという間にシートとパラソルを立て終わるとシートの上に横になった。
「さぁ、吉沢。あいつらが来る前にさっさと寝てしまうんや。寝てしまえばもぅこっちのもんやからなぁ…!!」
「そこまでして遊びたくないのか…??彼女と遊べるんだぜ??」
「オレは疲れてるんや!」
今頃気づいたのかそんなことを言いだした吉沢をよそにオレは必至に寝ることに専念した。
今日が理沙といっぱい遊べるチャンスってことくらい知ってるわ!
でも、ほんま眠たいんや…
オレはあっという間に眠りについた。
「ほら!達也!起きる!」
気持ち良く眠っていると急に頭上から理沙の大声がふってきた。
「…ん??もぅ朝か??」
まだ朝には早いんとちゃうか…??
全然寝てへんで…??
いや、めっちゃ周り明るいし…
海…??
なんで海??
ベッドの上で寝てたんとちゃうかったっけ…って!
そうやった!
オレ海きてたんやった!!(←今頃
やっと頭がさえてきたオレは体をおこして怒ったような顔をしてる理沙に視線をうつした。
水着…??
あ、そうか。
海やもんな。
それにしても…
思わず理沙を凝視してしまう。
水着姿の理沙は細い体のラインがはっきりとうきでていて…
びっくりするくらい可愛かった。
…やばい。
めっちゃ可愛いやん…
オレ、顔赤くなってへんかなぁ…??
理沙に悟られないようにできるだけ自然に笑顔をつくる。
「理沙!水着姿もめっちゃ可愛いなぁ!」
理沙が一気に真っ赤になった。
…オレもあんなんになってたらどうしよ…
と、心の中で心配しながらもその反応も可愛いなぁと思う。
「そ!そんなのいいからはやく泳ぎに行くよ!」
めっちゃ照れ隠しやん…
まぁ一緒に泳ぎにいきたいのは山々(?)やけど…
「いや、オレはいいわ。ちょっとしてから行くから先泳ぎにいってて?」
ちょっとそんな元気はないわ…
「はぁ…別にいいけど…あとで絶対にきなよ?じゃ、美香、吉沢くん!いこか!」
「いや、オレも遠慮しとく。先に2人で遊びに行っててくれ。」
「え〜!吉沢くんも〜!?」
「もぅ…2人とも全然遊ぶ気ないんだから…もぅいいや!美香!いくよ!」
「うん…」
理沙と三浦の後ろ姿を見送りながらもう一度シートに横になった。
「さてと、もぅひと眠りするか…」
「おまえ、ホントによく寝るよな…」
「ほっとけや。」
寝る子は育つっていうやろ?
まぁ別に関係ないけど。
「それにしてもやっぱ三浦って可愛いよなぁ…」
吉沢がうっとりと三浦の方を見ながら言った。
おいおい…
ちょっと変態くさいで…
まぁそれは友達として口にださないことにする。
「そんなやつが彼女になってくれて良かったねっと…」
さぁてと、オレはお昼寝モードに突入するとしますか。
そう思ったとき、
「あれ?なんか、三浦達のとこに三人くらいの男が近づいていってるんだけど…」
吉沢の言葉で体を起こした。
「はぁ!?」
慌てて理沙達の方を見る。
確かに三人くらいの男が理沙達に近づいていってた。
ま、まさか…
ナンパっていうやつかーっ!?
「くっそ!いくで!吉沢!」
「あ、ああ!!」
オレの彼女にナンパするとはいい度胸やなっ!!
オレが止めようとした瞬間、男の一人が理沙の肩に手をふれた。
ついにオレの怒りは頂点に。
理沙の肩に触れている男の手を思いっきり握り締めた。
「人の彼女に手だすんはあかんのとちゃうか??」
ましてやオレの理沙にこのきたない手を触れるとは…
このオレを、なめとるんか??
怒りにまかせてギリギリと男の手を握る。
殴ってやろうと思ったが、理沙のまえでそんなんするんはあれやから必至に気持ちを静めた。
「今度こいつに手だそうとしたら…分かってるな?」
男はオレの手を振り払うと舌うちをしながらオレを睨む。
「…っち!彼氏持ちかよ…いくぞ。」
そう言って男達はどこかに去っていった。
はんっ!負け惜しみで睨まれても全然怖くないわ!
それよりも…
「理沙!大丈夫か!?変なことされてない!?」
「いや…大丈夫だよ。でもちょっと怖かった。ありがとね。」
「ああ、当然やろ!まったく、人の彼女に手だすとはとんでもない連中や。」
理沙に怖い思いさせたんか…
あいつら最悪やな。
だから彼女できんのや。
そんなんで人の彼女とろうとするなんて頭おかしいんちゃう??
海で溺れて死んでまえ!!
ったく…
「…よし!じゃ、達也と吉沢くんもきたことだし!今から思いっきり遊ぼっか!」
理沙が笑顔でいった。
その笑顔を見てほっとする。
よかった…
そんなに気にしてないんやな。
「しゃーないなぁ。遊んだろか!」
またあんなやつらにからまれてもあかんしな。
なんたって理沙はオレが惚れるほど可愛いんやから!
「え…オレはもうちょっと休みたいというか…」
「おまえはもうちょっと空気読め!」
吉沢の空気読めない発言につっこみながら、気付かれないように笑ってる理沙の方を見る。
やっぱり…
おまえのそばにはオレがついてないとあかんな。
いつ誰に取られてしまうかわからん。
いつ誰がおまえを傷つけるかもわからん。
こんなこと…
今思うのもへんやけど…
これからはどんなにしんどくても、
ずっとおまえのそばにいる。
そばでおまえを守ったるからな!
この話…
またよくわからないです;
達也が最初は理沙に対してあんまり何も思ってない感じですが最後は大好きです。
変になってすいません<m(__)m>




