☆14話 2人きり☆理沙side
「………」
「………」
なぜか2人の間を沈黙が包む。
なんだか斎藤も自分で言っといて緊張してきたみたい。
私も…
緊張しすぎてやばいよ…
心臓がすごい勢いで鳴り響いてる。
顔もすっごく熱いし…
どうしよ…
何か話さなくちゃ…
気まずすぎる…
「斎藤!」
「立川!」
2人の声が重なった。
びっくりしてそこで会話を止める。
「…立川からさっき言っていいで?」
「…いや、斎藤から言ってよ。」
もぅ…
やっぱり変に緊張しちゃう。
斎藤が変なこというからだよっ!もぅ…
「いや、オレは何かここからでる方法さがそって言おうとしただけや。」
「私も同じ…」
またそこで会話が止まる。
なんで止まるのよっ!
普通ここで何か続くでしょ!?
調子狂うなぁ!
「…なぁ、立川。こんなときに何やねんけど…」
斎藤がボソッとつぶやいた。
「ん??何??」
「立川ってさぁ、オレのこと『斎藤』って呼ぶよな?」
「うん。そうだけど…」
それがどうしたの??
普通そうじゃない??
「まえから思っててんけど…」
斎藤はぼそぼそと何かをつぶいている。
「えっ??何言ってるの??」
そんなにぼそぼそ言われても…
全然聞こえないよ!
「だからっ!その…一応オレら付き合ってるんやし…その、な?」
「その、何??」
だんだんイライラしてきた。
何が言いたいの!?
この人は!?
私がイライラしてきたのを見越してか、斎藤は真っ赤な顔で言った。
「オレのこと、達也って呼んでや!!」
思わずポカンとしてしまう。
いや、別にいいんだけどさ…
「今、言う??」
何もこんなときに言わなくても…
「だからさっきこんなときに何やけど、って言ったやん!!」
斎藤の顔はすっごい赤くて、それが可愛いなぁ。って思った。
「そうだっけ?まぁ、いいけどさ。じゃぁ私のコトも理沙って呼んでね??」
斎藤…いや、達也はこくりとうなずく。
「じゃぁ、理沙。どうやってこっからでる??」
達也は緊張がほぐれたのか急に真剣な顔で問いかけてきた。
というか、さ。
よくいきなり名前呼びできるよね。
そういえば私、男の子を名前で呼ぶなんてあんまりないし、呼ばれることもないからなぁ…
なんか抵抗感じるや。
「う〜ん…やっぱりあの窓からでるのが一番の方法だよね…」
「じゃぁとりあえず、窓まで階段っぽいのつくろか!」
私さっきつくりましたよ。
また重労働ですか…
トホホ…
心の中で泣きながら達也の言うとおりに荷物を積み上げていく。
「ねぇ、これこの上でいいの??」
「ああ、かして…」
達也が私のもっていた荷物をとろうとしたとき…
ガタッ!
達也がバランスを崩して倒れこんできた。
「うおっ!?」
「きゃぁ!!」
達也に押される形で私も自然に倒れる形になる。
ゴンッ!と地面に腰を打ちつけた。
「ったぁ…」
「す、すまん!ケガないか!?」
達也が心配そうに私の顔を覗き込んできてくれた。
「うん…大丈夫だけど…って!」
達也の顔がほんのすぐ目の前にある。
よく見てみると、今の私の体制は達也に押し倒されたようになっていた。
な、何!?
この体制!?
「ちょ、ちょっと!達也!!」
「へ…??う、うわっ!す、すまん!すぐどくから…」
達也もそれに気づいたようで私から離れようとしたが、何を思いとどまったのかそのままの体制に戻った。
そして私の瞳をじっと見つめる。
えっ…??
何何??
この雰囲気!?
何か危ない感じ!?
ちょ、はやく体を起こさなきゃ!
そう思って体を動かそうとしてみるけど、達也の瞳に射すくめられて動けない。
「理沙…」
小さく名前を呼ばれた。
いつもと違う呼び方だからか、ドキッと心臓が強く鳴る。
「達也…??」
達也の顔がだんだんと近づいてくる。
もしかして…
キスするつもり!?
ちょ、やめてよっ!
心の準備が…!
おかまいなしに近づいてくる達也。
唇に触れるまでほんの数センチ。
触れるか触れないか、ギリギリのところで急に明るい光に照らされた。
「理沙っ!!」
そして聞き覚えのある声が聞こえてくる。
この声は…
「…美香??」
開け放たれた体育倉庫の扉。
その向こうに目を潤ませて、息を切らした美香が立っていた。
こけて体制を崩して…
おきまりの展開です;
そしてまさかの美香さん登場です!!




