★9話 変な気持ち★達也side
オレと雪乃は並んで学校に向かってた。
学校は違うんやで?
でも方向が同じやからせっかくやから一緒に行くことになったんや。
「それで結局ウチは明日には大阪帰らなあかんのやけど…」
「そうやな。」
「達也とはなれないといけなくなるんはやっぱ悲しいなぁ…」
「そうやな。」
「達也はどう思ってるん?」
「そうやな。」
ぎゅぅぅぅぅ!!
急に雪乃がオレの頬をつねった。
「いったっ!!何するんや!やめろ!」
雪乃はかまわずつねる手に思いっきり力をいれる。
いったぁっ!
ホンマに痛いっちゅーねんっ!!
やっと雪乃が手をはなした。
や、やっと解放されたぁ…
「いきなり何するんやっ!…ホンマ痛かったわ…」
まだヒリヒリする頬を押さえて言う。
すると雪乃はすねたように唇をとがらせた。
「だって達也、さっきから『そうやな』しか言わんもん。」
「はっ??そうやったか??」
「そうだったっ!どーせ立川さんのこと考えてたんでしょ!まったく彼女が隣にいるっていうのに!!」
彼女…
そうや、
雪乃はオレの彼女になってくれたんやった…
ちなみに雪乃が立川のことをしってるんは昨日の夜オレが立川とのことを全部はなしたから。
雪乃は実はオレの家に泊ってたりするんや。
言っとくけどなんも間違いはないで!?
オレはそんな男とちゃうからな…
…
それにしても…
ホンマにオレ同じ返事しかしてへんかったか…??
ちゃんと返事してたと思うけどなぁ…
「達也、ホントは立川さんのことが好きなんじゃないん??」
雪乃がオレを睨む。
「そんなことないっ!オレが好きなんは雪乃だけやっ!」
慌てて言うと雪乃がにこっとうれしそうに笑った。
「そんなん知ってるわ!じゃぁウチはこっちやから!また帰りなっ!」
雪乃は元気よくオレに手をふるとスキップで言ってしまった。
…よし、オレもはよいかな。
雪乃がおらんようになった瞬間、
頭の中が立川のことでうめつくされた。
今日どんな顔して立川に会えばいいんかな…??
いや、まずそのまえに立川に会うかもわからへん。
きっと立川はオレのこと避けるやろし…
それに立川がオレを好きになればもぅ特別な扱いはせーへんってこのまえ言ってもうたからな…
いや、そのまえに立川に『大っきらい!』って言われたんや。
会ったとしても普通に無視されるんやろな…
それは…
なんとなく、寂しいな…
ぼんやり考えているうちに学校についていて席に座っていた。
そして自分が今までずっと立川のことばかりを考えてたのに気づく。
っちゅーか!!
なんでオレは立川のことばっか考えとんねんっ!?
オレは雪乃が好きなはずやろ!?
…けど、雪乃としゃべってたときもずっと立川のことを考えてたのかもしれへん…
でも、それは立川が好きやからとかじゃなくて…
ただ友達が減ることになったから悲しいだけなんや。
友達に無視されるんはそりゃ寂しいやろ?
だからオレはこんなに立川のことばっか考えてるんや。
うん。
絶対そうなんやっ!
とりあえずそう決めつけた。
そして昼休み―――
そういや今日は金曜日やった。
次の授業は理科で理科室に移動や。
そこで立川の教室のまえ通るねんなぁ…
いつも窓から教室を見て立川と目あったら笑いあうんやけど…
今日は立川目もあわせてくれへんやろなぁ…
ぼーっと考えている間にいつのまにか女子が集まってくる。
けどその相手をする余裕はオレにはなかった。
そして1−Aの教室のまえにさしかかる。
ちらっと窓から教室の様子をのぞいた。
いつもならここで立川と目が合う。
けど立川とは目はあわなかった。
いや、目が合うどころか立川はこっちさえ見ていなかった。
楽しそうにクラスの男子としゃべっている。
な、なんやっ!?
オレにふられたからってすぐに新しい男つくってるんかいなっ!?
ちょっとはやないか…??
まぁ、それは立川の自由やし?
オレが気にすることでもないし?
とりあえず…
立川のことなんか真剣に考えてたオレがアホみたいやっ!
なんでか変にイライラした。
もぅあいつなんて知らんわっ!
そして放課後―――
帰ろうとすると急に吉沢にオレを呼んで欲しいというてるやつがおるって言われた。
もしかしてまた告白とかか…?
もぅだるいねんけど…
そう思いながらもしぶしぶと吉沢が言っていた場所にいくとそこには昼休み立川としゃべっていた男子がいた。
…??
なんでこいつがオレを呼ぶんや?
オレは男に好かれることをした覚えはないけどなぁ…
どうでもいいことを考えているとそいつがオレをじろじろ見ながら口を開いた。
「おまえ、昨日立川に告られたよな?そんで立川ふったよな?」
…はっ?
「なんや…いきなり…ちゅーかおまえ誰やねん…」
なんでいきなり知らんやつにそんなん言われなあかんねん。
はい。
オレは昨日たしかに立川に告られました。
それをふってオレは真剣に悩んでたけど立川は気にせずおまえのとこいってました。
それがどないしたんやっ!!
「オレは坂崎。立川とは中学からずっと一緒だったんだ。」
そんなんオレに言われてもしらん。
「それがどないしてん。」
オレ今イライラしとんのや。
これ以上立川の話せんといて欲しいねんけど。
「オレは立川のことが好きだ。」
「…!?」
…なんで、それをオレに言うねん。
「明日、立川と一緒に買い物に行くことになった。そのときに言う。多分おまえにふられてショックになってる立川ならOKしてくれると思う。」
「…そうかもな。」
冷静に言いながらも内心焦っていた。
立川をとられてまう…!!
めっちゃ勝手な考え。
オレには雪乃がおるのに。
オレは立川を突き放したのに。
それでもそう思ってしまった。
「それで?なんでそれをオレに言うん?」
坂崎は一瞬固まった。
そして目線を斜め下に向ける。
悔しそうに唇をかみしめた。
「立川はまだおまえのことが好きっぽいから…今日だってずっと落ち込んでた。だから…」
坂崎は目線をあげ、まっすぐにオレを見る。
「オレが立川からおまえの影を消してやりたい。だから一応それの宣言をしにきた。」
「…さよか。」
それだけか…
じゃぁ要件はすんだんやな。
オレは坂崎に背を向けた。
「止めるんだったら止めにきてもいいんだぞ!場所はここの近くの公園だ!」
後ろから坂崎の声が聞こえる。
けどオレはその声を無視した。
今更止める…??
そんなことするわけないやろ。
オレは立川をふったんや。
さっきは理不尽な怒りがでてもうたが…
立川もきっと辛いんや。
ずっとオレのことを思ってたら…
オレが雪乃を思っていたのと同じように…
ずっと辛い思いすることになる。
だから新しい相手をつくるんが一番なんや。
それを…
邪魔しようとするわけないやろ…
ゆっくりと歩いているといつのまにか家についていた。
…あ、雪乃待つん忘れてた…
あとで怒られるな…
まぁええか。
雪乃はもう明日おらんようになるのに。
オレは雪乃のことを考える余裕がなかった。
がくっとベッドに倒れる。
ハァ…
もぅオレ自分がわからんようなってきた…
ホンマ、しんどいわぁ…
いつのまにか、オレはそのまま眠っとった。
「達也、達也!起きて!」
雪乃の声で目が覚める。
「ん…ああ、おはよう。」
まだ寝ぼけた目をこすって言う。
「何言ってるん??まだ夜やよ!あれ?でもおはようであってるかも…」
そうや、
起きたんやったら普通おはようやろ。
なんやぁ…
あってるやないかぁ…
問題も解決したところで…もうひと眠り…「するなっ!」
雪乃が耳元で大声をだす。
「あ〜!なんやっ!!」
「達也!あんた今日私おいて帰ったやろっ!?」
ああ…
それか…
「すまんすまん。忘れとったわ…」
「忘れてたって…ウチもう明日帰らなあかんのやで??」
雪乃の目が少し潤んだ気がした。
けどすぐににこっと笑顔に変わる。
「まぁ許したる!その変わり…」
雪乃がずいっとオレに近づいてきた。
びっくりして少し後ずさる。
「な、なんやねん…」
雪乃は少し頬を赤らめた。
「…キスしよ?」
「…!?」
キ…キス…??
そ、そんなん以外に初めてやねんけど…
「ちょ、待ってや!」
雪乃はオレの静止も聞かずに顔をよせてくる。
ごくっと息をのんだ。
オレは雪乃のことが好き。
その雪乃とキスできるっちゅーことは…
めっちゃうれしいことやんな…??
けど…
あと少し唇が触れるというところで雪乃の肩をつかみ押し戻した。
「…それは無理や。」
雪乃の目がうるむ。
「なんで…??」
それは…
なんとなく気分じゃないから。
っていったら怒られるかな?
けどホンマにそんな理由なんや。
なんか雪乃とキスしたらあかん気がしたから。
「だって眠いもん!おやすみっ!!」
オレは布団をつかむと頭からすっぽりとかぶった。
雪乃の声が耳に入ってくるが返事はしない。
とりあえず、眠ることに専念した。
坂崎さんは理沙のことが好きだったんですよ。
多分ばればれだったと思いますが…
というかなんで坂崎さんは理沙が達也にふられたこと知ってるの??
疑問点…いっぱいです;
雪乃さん!積極的になってます!




