☆8話 告白☆理沙side
『放課後、校門のまえきて欲しいねんけど…ええかな?』
5時間目、斎藤からメールがきた。
不安と期待が胸によぎる。
もしかしたら私の気持ちがばれてしまったのかもしれない…
もしかしたら斎藤の気持ちが私に向いてくれたのかもしれない…
相対する二つの気持ち。
でも二つ目はないだろうな、と思った。
だって昨日の斎藤の言葉でわかってしまったから。
斎藤は忘れられない人がいる。
だから私を好きになってくれるはずがないんだ。
でも、もしかしたら…
どうしても小さな希望を持ってしまう。
『うん。わかった♪』
ゆっくりと返事を打った。
そして放課後―――
先生の話が長引いて帰るのが遅くなってしまった。
斎藤待ってるかもっ!!
そう思い慌てて教室をとびだす。
斎藤は校門のまえでぼんやりと空を見上げていた。
「斎藤!ごめん、遅れたっ!」
斎藤は私に気がついてにこっと笑った。
「ええで。オレもそんなに待ってないから。」
なんとなくその顔は幸せそうにみえた。
なんでだろう…?
考えているうちに斎藤が悲しいことを告げる。
「オレなぁ、雪乃ともう一回やり直すことになってん!」
本当に幸せそうな笑顔。
それは斎藤にとっては本当にうれしくって幸せなこと。
「…えっ??」
けど私にとっては残酷な言葉。
…ウソ、でしょ?
斎藤は雪乃さんに裏切られたっていってたじゃない…?
雪乃さんは斎藤を裏切ったんでしょ…?
それなのに…
どうしていきなり…
「昨日な、おまえが帰ったあとに雪乃に会ったんや。それでオレに謝ってくれてな?ほんでもう一回信じてみようと思った。」
斎藤は頭をかいて頬を少し染めた。
「やっぱり…オレはまだ雪乃のことが好きやから…」
そんな…
そんな…
そんな…
ウソでしょ?
お願い、ウソっていって?
昨日私に言ったみたいに…
…ウソなわけない。
だって昨日からわかってたことじゃない。
斎藤はまだ雪乃さんのことが好き。
だから雪乃さんが謝ったのなら斎藤はすぐに許してしまうに決まっている。
「だからもうおまえをおとそうとするんはやめるわ。今日はそれがいいたかってん。」
「……!!」
このときが…来てしまった。
もぅ、斎藤は私を見てくれなくなるんだ…
私は他の女の子とおんなじになってしまうんだ…
なら…
どうせ同じになってしまうのなら…
この気持ちをあなたに伝えてしまおう。
どうせ叶わないのはわかっている。
でもね?
伝えてしまわないと胸の中で気持ちがつまってしまうの。
「ねぇ斎藤。」
「…??」
私の気持ち。
しっかりと聞いてよね。
「やめなくてももう終わりだったんだよ?だって私は…」
瞳に涙がたまった。
瞬きすると大粒の涙が頬を伝う。
それを拭きとろうともせずに私は必至で伝えた。
「私は…もぅ斎藤のことが好きになってたんだからっ!!」
斎藤の表情に影が入った。
そして言いにくそうにつぶやく。
「…しってた。」
「…へっ??」
斎藤はしっかりと私の目を見据えた。
「オレはおまえの気持ちに気がついてたんや。」
「う…そ…」
それじゃぁ私の気持ちを知っていながら知らないふりしてたの…??
どうして…??
斎藤は目に悲しい光を宿すと私の顔に手をあてて涙をふきとった。
「ごめんなぁ…立川…おまえにひどいことしたな。うん。オレを恨んでもいい。」
斎藤の手は温かくって…
冷たかった。
「それでもオレは雪乃のことが好きなんや。」
「…!!!」
知ってるよ…それくらい…!!
それでも…
それでも…
私の頬に触れている斎藤の手をぐっとつかんだ。
「斎藤なんて大っきらい!!」
さっき好きなんていっておいて何言ってるんだろう??
けど頭にはそれしか浮かばなかった。
斎藤の手を振り払うと私は走りだした。
「立川っ!!」
斎藤が私の名前を呼ぶのが聞こえる。
けど振り返らずに走り続けた。
夢中になって、家に帰らなきゃいけないことも忘れて、
脇目もふらずに走り続けた。
走って走って、息が苦しくなって、それでも走り続けた。
斎藤なんてきらい!
きらい!
きらい!!
大っきらい!!
足が動かなくなって、
近くの公園でフラフラと立ち止まる。
そしてその場に崩れおちた。
涙は止まることなくあふれ出ている。
ひどい…
ひどいよ…
どうせふるならもっとつきはなしてよ…
ひどいやつだったって思わせてよ…
ひどい言葉も平気で言うはずなのに…
どうして謝るの?
どうして私に触れるの?
どうして恨んでもいいなんて言うの…??
私が斎藤を恨めるわけなんてないじゃない…!
ただひとつ私はあなたを好きになってしまった自分を呪う。
はじめからあなたを好きになってもいいことなんてなかった。
してはいけない恋だったんだ。
何度も何度もそう思ったのに…
何度も自分に忠告したのに…
あなたの小さな優しさが…
私をあなたに夢中にさせてしまった。
『それでも雪乃が好きなんや。』??
何それ??
そんなこと言うなら私だって…
私だって…!
斎藤にふられちゃっても…
斎藤の心の中に私がいなくても…
それでも斎藤のことが好きなの!!
もういや…
私はきっと斎藤のことは忘れられないよ…
どうしてくれるの…??
あなたがくだらない遊びなんて始めたせいで…
私はこんなにも辛くて…
苦しいの…
ふられちゃいました(涙
書いてて本当に思うこと。
理沙はいつからそんなに達也のことが好きになったんだろう…??




