★6話 思い出★達也side
―――下校時間。
カバンを背負いながらふと今日立川に会ってないなと思った。
う〜ん…
なんか避けられてる気がするんやけどなぁ…
ま、ええや。
とりあえずさがそ。
放課後やったら…
図書室とかか?
そんな感じで立川がいきそうな場所を探してみたが立川の姿はない。
もぅ、帰ってもうたんかな??
そう思い窓の外を見てみると生徒玄関をでようとする立川の姿が見えた。
おった!!
急いで階段をかけおり外にでる。
「立川っ!」
校門をでようとする立川に向かって大声で呼びかけた。
「…斎藤?」
立川が目を見開いてオレを見る。
「探しとってんで!今日一回も会ってなかったからな!」
立川は何も言わず目をふせる。
…??
どうしたんやろ?
なんか元気ない気するけど…
「一緒にかえろか!」
とりあえず立川に笑いかけた。
立川は目をふせたまましばらく考えていたようだったが、
やがて顔をあげ笑顔でうなずいた。
「うん!いいよ。」
オレ達はゆっくりと並んで歩いた。
しゃべりながらふと思う。
…なんとなく立川の様子がおかしい。
オレがどんな話をしても立川はむりに笑ってあいづちを打つだけ。
ときどき悲しそうにオレを見る。
立川がどんなことを考えているのかはすぐにわかった。
けど、あえてその気持ちは無視する。
「…ねぇ、斎藤。」
立川が小さな声でオレに呼びかけてきた。
「ん?なんや?」
じっと真剣にオレの目を見つめる。
「斎藤ってさ、好きな人とかっているの?」
好きな人??
なんでいきなりそんなん…
ああ、そうか。
「おまえやで?」
オレは意地悪く笑ってみせた。
立川の頬が赤く染まる。
こいつはオレのことが好きなんやったな。
ばれてないと思ってるんかもしれんが…
こんなこと聞いてくるってとこでもうばればれやで?
「…ってのはウソで…おらんな。」
立川があらかさまに落ち込んだ。
おもろいやつやなぁ(笑
………好きなやつか。
「…けど、昔はおった。」
「えっ??」
立川がきょとんとしてオレを見上げる。
「雪乃っていうやつ。いっこ上で幼なじみやってん。」
思い出すだけで笑顔が見えてきそうだった。
好きで、好きで、大好きだったあの笑顔。
「その人ってどんな人だったの?」
立川の問で雪乃の姿が鮮明に浮かび上がってくる。
茶髪の肩までのびた髪。
大きな目。
整った顔立ち。
そして、
あの笑顔。
「めっちゃきれいでおもろいやつやった!たよりになったし、ねえちゃんみたいな存在やったんや!」
そうや…
あいつはどんなに辛いことがあっても笑ってた。
いつもいつも笑っていて…
オレが泣いている時もそばにいてくれて…
何度あの笑顔にはげまされたことやろう?
オレにとってあいつはホンマにねえちゃんみたいで…
あこがれの存在やった。
その気持ちが好きにかわったんはいつからやったやろう…??
「斎藤は今はその人のこと好きじゃないの?」
…!!
オレは…まだあいつのことが…
いや、違う。
あいつは…
「…せやな。好きと…ちゃう。あいつはオレを裏切ったから。」
あの日の記憶が蘇る。
雪乃に裏切られた日。
「あいつだけはオレの中身を見てくれてると思ってた。けど…結局あいつも他のやつらと同じやったんや。」
小学校の高学年になったころからやろか。
いつのまにか、オレのまわりには女子がいっぱい集まってくるようになった。
そのころにはもうオレは雪乃のことが好きやったから…
まわりの女子なんて眼中になかった。
そして雪乃が中学に入ったとき、
オレは雪乃に告白した。
雪乃は笑顔でうなずいてくれて、
オレ達は付き合うことになった。
けどオレが中学に入ったとき。
自分がすごくモテることに気がついた。
それでオレは調子にのるようになったんや。
女子の相手をすることに夢中になって…
それが楽しくて…
雪乃の相手なんてする暇はなかった。
けど、それでも雪乃は笑ってたから…
オレは雪乃の気持ちなんて考えてなかった。
そんなとき…
中学にオレよりもかっこいいやつが転校してきた。
オレに集まっていた女子達は全部そいつのもとにいき、
はじめてオレのまわりに集まってきていたやつらはオレの外見しかみていなかったことに気がついた。
誰もオレ自身が好きなんやなくて、オレのルックスが好きやったんや。
けど雪乃は変わらないでいてくれた。
かわらずオレのそばにいてくれた。
だからオレは雪乃だけは本当のオレを好きでいてくれたんや、と思った。
それやのに…
それやのに…
雪乃は結局転校してきたやつのところへ行った。
『もう達也と付き合っててもステータスにはならないって気づいたんだ。だって達也より三上くんの方がかっこいいから。』
オレにそう言い残して。
…結局雪乃にとってオレと付き合うことは自分のステータスのためやったんや。
雪乃がオレに向けてくれていた笑顔も全部ウソやったんや。
雪乃も…
結局オレを外見で判断してたんや…
「斎藤…」
「だからオレは決めたんや。もぅオレは女を好きにならん、特別な女をつくらんってな。」
もうあんな悲しい思いはしたくないから。
また裏切られるんが怖いから。
「じゃぁなんで私を惚れさせようなんていいだしたの?」
立川がつぶやくように問いかけてきた。
せやな。
たしかにそれは特別な女をつくったことになるかもしれん。
「おまえはあいつに似てるねん。だからこんなことしてるんかもしれへん。」
立川…
おまえはホンマに雪乃に似ているから…
そうや。
オレはおまえとおるとき、いつも雪乃とおるつもりやった。
おまえの笑顔は、雪乃に似ていた。
ハハ…
なんや、
オレは結局ずっと雪乃のことを思ってたんや。
オレはまだ、
こんなにも雪乃のことが好きなんや。
けど忘れなあかん。
思い出したら辛くなるだけやから。
「…そっか。」
立川はうつむきながらつぶやいた。
「じゃぁ私、はやく帰らなきゃいけないから。」
「えっ?ちょ、どうしたんや?」
立川はオレの言葉を無視して早足で家に向かっていく。
後を追いかけようとしてふとだしかけた足が止まった。
「達也。」
なつかしい声がオレの名を呼ぶ。
この声は…
「雪…乃…??」
立川と入れ替わるように雪乃がオレの方に向かってきた。
一応達也の過去の話のつもりです…
むりやりいれました。
ほんとむりやりですいません;
しかもわけわかんないですし…(涙
最後にまさかの雪乃さん登場ですっ!




