1話 田舎に来た!
初めての投稿です。田舎の何もない感じと、そこに住む人々のあたたかさを書けたらいいなと思い執筆し始めました。稚拙な作品となっていますが長い目で読んでいただけたら幸いです。
春。
私、清水春野は生まれ育った東京を出て、群馬県の高中市杉野井町に向かっていました。
父の転勤の関係で、父の生まれ育った杉野井市にある父の実家へです。
乗り慣れた車はどこか落ち着かず、気持ちは沈んでいました。
周りの景色はどんどん山に囲まれていき、見渡す限り田んぼや畑が多くなっていきます。東京では見慣れない景色で、テレビの中でしか触れることのないものでした。
ふと、窓を開けると土の匂いに混じって、春に芽吹く花の香りもします。
道中、通りかかった商店街は開いているお店はそんなにありませんでした。
「お父さん。この町の人はどこで外食するの?」
私は気になったのでお父さんに聞いてみました。
「ここに飲食店はほとんどないんだよ。あるのは釣り具屋さん、家具屋さん……あと駄菓子屋さんもあったけな? あんまり頻繁に来てるわけじゃないから今もあるかはわからないけどね」
お父さんの返事を聞いて私は絶望しました。だって、東京でよくみるチェーン店の牛丼屋さん、おしゃれな服屋さん、最近有名なスイーツを扱っているお洒落なお店もありません。コンビニだって徒歩で行くにはしんどいです。
若々しい高校生です。学校の帰りに喫茶店によって女子トークとか、カラオケに行って歌うとか夢見てたわけですよ。ええ。私の夢は儚く散ったわけです。
私の気持ちはもう今までにないくらいに深く沈み込んでいきました。溺死寸前です。
「春野。もうすぐ着くぞ」
んーと気のない返事をして身支度をし始めます。二時間のドライブは私の心以外にも体にもダメージを与えていました。
車の速度が落ちてきました。もうすぐ着くみたいです。
外を見ると段々と近づいてくる一件の建物があります。これから私の住む家でしょうか? 外見は和風の建物です。古き良きと言っていいのでしょうか? 古風と言えばいいのでしょうか。THEおばあちゃんちって感じです。
「着いたぞ」
「ここに来るのも久しぶりね」
お父さんとお母さんが話してます。
車がその建物の前にある広い空き地に止まりました。ここで間違いないようです。
車を降りて荷物を持ち、家の前に行きます。家の前に立つとお母さんが言いました。
「ここ、虫が多いから気をつけなきゃね?春野」
私は体から力が抜けごつごつとした地面に膝をついてしまいました。
私は虫が大の苦手なんです!
次はもう少し長い文章で書きたいと思います。