平成15年③
私は一人ベンチで考えいた。
家に戻ると学校のことが頭から離れない。
母はそんな私に学校に行けとは言わず、気が向いたらでいいじゃない?と言ってくる。気が向いたらって、永遠に行けそうもない。多分ずっとこれから引きこもるんだと。なんで中学に上がっただけで、こんな不幸なの?
でも、今日はすごく楽しかった。久し振りにに立山の自然を見れて良かったし、春樹くんも何気に可愛い所があるんだなって思った。
誘って良かったかも。あの子は毎朝ラジオ体操行ってあの時間に帰ってくることは知ってたから、階段で待ち伏せしてた。本当は一人でここに行って彷徨って帰らないつもりだったけど、なんか一人じゃ心細くなって、あの子を誘って巻き込んだ。あの子には本当に申し訳ないと思ってる。帰らないといけないとわかってるんだけど、足が動かない。また、嫌な毎日が始まると思うと、心臓のドキドキが止まらない。あの日の光希とのやり取りから全てが変わった。友達には嫌われ、男子から強引に迫られて怖かった。それを思い出すだけで、呼吸が荒くなる。
いろいろと考えているうちに涙が流れてきた。私は嫌われ者だ。誰も寄り添ってくれない。味方なんかいない。
味方?
「僕は味方だから!」
頭の中で何回も繰り返される。なんでだろう?凄く嬉しかった。あんなこと叫ばれたらたまんないよ。
私がいなくなってから、しっかりしやがって。
あの子は本当に私の味方なのかな?
すると、向こうから春樹が歩いて戻ってきた。
私はすぐにタオルハンカチで涙を拭いた。
春樹が
「ごめん、美喜ちゃん。いろいろ歩いて行ったけど、お店もコンビニもなかったよ。」
「うん、そっか‥」
「取り敢えず、僕は美喜ちゃんの隣にいるよ。」
「え?」
「別に帰れなくても、ラジオ体操ぐらいしか予定ないし。いいよ、僕もここで過ごすよ。だって僕は美喜ちゃんの味方なんだもん。」
私の目から涙が流れた。
絶対に年下の子の前では泣かないって決めたのに。
「ごめん、春樹くん。凄く辛くてね。誰も頼る人がいないの。」
「うん‥」
「今日だけは弱いお姉さんでいさせて」
私は大粒の涙と鼻水が止まらず咽び泣いた。
その間、春樹は隣でずっと何も言わず座って見ていた。
おじさんの車から降りて2時間半ぐらいは経っただろう。もう恐らく終電もない。
「春樹くん、ごめん。私の我儘なせいで。迷惑掛けて。」
「気にしないで。美喜ちゃんが気が済むまで隣にいるよ。」
と言い春樹くんは私の手をギュッと握ってきた。
いつもはどうしようない子だなと思いながら私から手を繋いでいたのに。今日はたくましいじゃないの。
凄い温かい気持ちにしやがって。その手離したくないじゃない。
春樹くん、今日はありがとう。




