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平成24年⑫


「ねぇ、沙優。二人はどこに行くの? 宮益坂方面行っていない?ハロウィンデートじゃないの?」

と僕は問い掛けた。

「なんか、エミリーが人が多過ぎると二人でゆっくり話しづらいから、そっち方面でご飯食べるんだって!」

だったらハロウィンじゃなくて違う日でもいいじゃないかと僕は思ったが、沙優はニコニコしながら話しているので何も言わなかった。

エミリーたちは宮益坂を少し登った所にある、焼き鳥のお店へ入った。

沼山が

「エミリーさん、焼き鳥好きなんだね。」

と呟いた。

「エミリーじゃなくて、その彼が好きなんだって! 私とエミリーでリサーチしたんだ!焼き鳥だけではなくて、釜飯もあったり、種類が豊富な和風料理店!うちは何年渋谷で過ごしていると思っているの?沼山くん?」

と沙優はドヤ顔でウィンクをした。

「さぁ!私たちも入るわよ!」

男陣は「マジか!」という表情し、渋々沙優の後に付いて行った。

お店の入り口を入ると、すぐに階段が見えた。その階段を降りると、開放感がある広々とした店内が見えた。

僕らは奥のテーブル席に案内された。

エミリーはどこにいるんだろうと周りを見渡した。

「ちょっと、高瀬。あんまりジロジロ見渡さないで。エミリーが気になっちゃうじゃん!因みにエミリーはちょうど私たちのテーブルからずっと奥!」

沙優が指を刺した方向見るとエミリーとその眼鏡の彼が座っていた。

僕らの席から、眼鏡の彼は背を向けていて、顔を見合わすことはないが、エミリーの顔はハッキリ見える。

僕らは、その2人座っている席をずっと凝視していた。

すると、僕らはエミリーと目が合いやや引き気味に微笑んだ。

それを見たエミリーは2回瞬きをして、右奥にある厨房を眺めているフリをした。

「ちょっ あんま見ちゃうとバレちゃうから」

沙優は指でシーってしながら言った。

沙優もガッツリ見てたじゃん!

飯田がメニューの冊子を取り、

「取り敢えず何か食おーぜ!せっかく来たんだし。鮭の釜飯美味しそうだな!」

僕らはそれぞれ好きな釜飯を頼んだ。

エミリーたちも釜飯と焼き鳥を食べながら楽しくて談笑している。

沙優もその姿を見て、

「上手く行きそうだね!」

と僕らに言った。

しかしながら、僕らはそんなに興味はなかっただろう。

エミリーは、眼鏡の彼に微笑みながら席を立ち御手洗いへ向かった。

エミリーがあんなに微笑んだ所を見たことなかったからか気色が悪かった。

沙優はスマホを手に取り、

「エミリーからのLINEだ!」

「えっと、エミリーがね。ふーん。

ねぇ!レヴァンドフスキ?ってみんな知ってる?」

飯田が得意げに

「ドルトムントのだろ」

と言った。

エミリーからのLINEには、お相手の男の子がサッカーが好きでと言っていたもんだから、香川真司の名前を出したんだとか。

そしたら、その彼は目を輝かせて、香川とレヴァンドフスキの相性が良くてとサッカーのお話しが盛り上がっているらしい。肝心のエミリーはサッカーは詳しくないから、そのレヴァンドフスキは何を知るために御手洗いに行き、俺らにヘルプのLINEをしたんだろう。

てか、最近までドルトムントも香川真司も知らなかった人がサッカーの話しで頑張ろうとするなよと僕は呆れた。

そこから、エミリーもその彼もリラックス出来てきたのか楽しく話していた。

僕は2人を遠くから眺め、本当の学生生活って、こんな感じなんだなぁと思った。

沙優のスマホにエミリーからLINEが来て、「そろそろお開きにします^_^」と嬉しそうなメッセージだった。

沙優も安心したような表情をして、僕らに

「今日はありがとう!上手く行けたと思う。」と言った。

それに対して飯田は

「まぁエミリーがいい感じだったのは、何よりだし、美味しい釜飯が食えたし。」

と笑顔で言った。

僕らは同じ気持ちだっただろう。

エミリーたちは、お店を出て明治通りの方面に向かっていった。

僕らは一定の距離を置きながら後ろを付いて行った。

銀座線の改札口の所まで来た。

エミリーとその彼を向き合って、エミリーが和かに手を振っていた。

彼は改札口の方へ向いて歩き出した。

その姿を見た沙優は、「よし!」と言いエミリーに電話した。

「ヤッホー、エミリー上手く行ったんだね?」

「うん!上手く行ったよ!ドルトムントの話来た時どうしようかと思ったよ。以外と男陣営頼りになったよ。」

沙優は僕らに向かって、

「男陣以外頼りになったって!以外と!」

と笑って言った。

僕らはやや苦笑いだった。

沙優は電話に戻った。

「あ、エミリー!その彼はそのまま帰ったの?」

「うん!明日、土曜だけど朝から授業があるんだって!今度、イルミネーション行こって約束したんだ!でね、よみうりランドに行くことにな‥」

「うん?エミリー?おーい」

沙優はえ?って表情をしながら、回線が悪いのかな?とブツブツ言っていた。

僕は、遠くにいるエミリーの方を見ると、先程の彼がいた。

何かエミリーに真剣に話しているようだった。

沙優は慌ててLINE通話をスピーカーにした。


「橋本さんは一生懸命な方で、凄く真面目な方なんだと。」

「いや、そんなに真面目じゃないよ。適当な所もあるし、ズボラだし」

「橋本さんサッカー詳しくないよね。全く分からないのに、調べてくれたり、知人の方に聞いていたり僕の大好きな内容の事柄を一生懸命聞いてくれたことに、俺は凄く嬉しいし、そんな橋本さんと一緒にいたいと思った。

凄く唐突でごめん。

付き合って下さい。橋本さん。」

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