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平成24年⑨

大学生の夏休みは凄く長った。約2ヶ月もあれば好きなことを好きなだけできる。社会人になった今としてはそのぐらいの長期休みが欲しいものだ。っても大学生の夏休みは長くてもお金がないので、豪遊はできない。僕はアルバイト、家でゴロゴロ、課題をやったり、川越散策をして過ごした。いつもの5人とは夏休み中は会わず連絡だけしていた。

9月後半に入り、後期の授業が始まった。今まで学校がこれから始まるのか嫌だなと思って過ごしていたが、まちに待っていた学校が始まるとワクワクしていた。仲良い奴らとも会えるし、好きな歴史の授業も受けれる。

僕は後期受ける「日本時代史」の授業が行われる大教室にいた。僕ら6人はここで出会った。

授業が始まる20分前に着き、時間の余裕があったので僕はアーモンドチョコレートを食べながら、スマホを弄っていた。

「あ、高瀬!いいなチョコレートちょうだい!」

「私も!」

振り向くと、エミリーと沙優がいた。

僕はアーモンドチョコレートの箱ごと渡した。

「なんだエミリーも沙優も同じ授業か。」

エミリーは呆れた顔をした。

「同じ授業なんだってさって、これ必修だよ。斎藤も沼山も飯田も同じ授業でしょ?」

「高瀬ウケる!夏休み明けても高瀬だね!」

「ちがよ。あれだよ。ボケたんだよ。ナイスツッコミ。」

沙優はナイスツッコミ!ナイスツッコミ!とエミリーに向かって連呼してた。

「お、アーモンドチョコレートじゃん!」

そこに飯田と後ろに沼山がいた。

「俺のだからあげるよ。てか、斎藤来ないなぁ。授業開始の1分前だけど。」

すると、後ろから

「うぃっす、ギリギリセーフ!」

と聞こえ振り向くと斎藤だった。

「なんとか、間に合ったわ。教室の入り口の所で先生が立って待ってんだけど。」

チャイムが鳴ると同時に先生が教室に入ってきた。

「みなさん、はじめまして。日本時代史の担当の岡山です。この授業はですね、奈良時代〜平安時代、戦国時代前までのですね。生活様式や文化、仏教についての講義になります。はい、授業の最初の15分は小テストを行います。と言いましてもね、授業の評価には入りませんので。あくまでどのぐらい知っているかというのを自分自身で把握するだけのテストです。では、さっそく小テストを行います。」

エミリーが僕の方を見て

「この先生めっちゃ喋るんだけど」

と笑って言った。

授業は岡山先生がずっと喋り続けるスタイルでたまに人を当てて質問をしていた。

ずっと喋りを聞いていると、だんだん脳みそが停止してきて、ウトウトしてくる。両隣を見るとエミリーも沼山も欠伸をしながら板書を写している。

後ろから、スゥースゥーと小さな可愛い寝息が聞こえた。後ろを振り返ると沙優が顔を伏せながら寝息をかいていた。 

確かにこの気温だと眠くなるよな。

すると、岡山先生が

「この時代も変わらず行っていたんですね。では、ではと。この昼前の講義なので、凄く眠くなる時間帯です。朝早かった人もいるでしょう。しかし、皆さんはお金を払って講義を受けるのでありますからね。まぁ、寝ていることはだいだいは把握してるとみなしても良いのでしょう。」

と真顔な顔をして僕達の所へやってきた。

「はい、起きて下さい。授業中ですよ。はい、起きて下さい。」

と沙優の机をトントンと叩いた。

エミリーが

「沙優、起きて。」

と肩を叩いた。

沙優はパァッと顔を上げた。

眠そうな顔で口元によだれが若干付いてた。

せっかくの可愛い系の顔が台無しだと周りにいた人たちはそう思っただろう。

岡山先生が

「では、質問します。先程説明した、盂蘭盆とは今でいうと何のことでしょうか?」

沙優は眠そうな顔で

「え‥?分からない‥え‥?」

「では、ヒントです。現代でも続いています。」

「いや、分からないです‥」

「分からない場合はどうしますか?」

「エミリーが答えます‥」

「私!?なんで?」

「では、エミリーさんお願いします」

「いや、分からないです。」

「分からない時はどうしますか?」

「隣に託します」

「では、隣の方」

飯田がいかにもマジかよという表情をしながら

「わかりませーん。」

と答えた。

斎藤は下を向いて俺に当てるなと言わんばかりで、沼山は遠くの方を見つめて考えてるフリをしていた。

「では、そこのあなた答えて下さい。」

「え?えっとお盆?」

「はい。正解です。盂蘭盆とはお盆のことでありまして、お盆というのは‥‥‥」

と言いながら教壇の所へ戻って行った。

下をむいていた斎藤が

「ナイス。高瀬。」と小声で言った。

「ナイスじゃねーよ。変なの呼び寄せるなよ」

その後、僕らは睡魔と戦いながら授業に受けた。少しでも負けると岡山先生が来そうなので、なんとか堪えた。


授業が終わり、僕たちは学食に向かった。

斎藤がうどんを啜りながら

「沙優ちゃんスゥースゥー言いながら気持ち良く寝てるもんだからさ。起こしづらかったわ」

と言った。 

飯田が

「いや、斎藤も寝てただろ。カックンカックンなってたし、なぁ沼山?」

とうどんを啜りながら言った。

「そうだね。斎藤くんも寝息はなかったけど寝てたね。てか、高瀬くんよくあの問題答えられてたね。」

とうどんを啜りながら言った。

「あれは、盆ってついていたし。現代でもやっていると先生言ってたし。半分勘だよ。」

と僕はうどんを啜りながら言った。

「男陣、うどん啜る音うるさっ」

とエミリーは言った。

「エミリー知ってる?うちの学食で一番人気がうどんなんだよ!」

と僕は言った。

「へぇー」

この女は時々、愛想が悪い時がある。

いきなり沙優が隣のテーブルを指差して

「あ!岡山先生だ!うどん食べてる!」

とやや大きな声で言った。

僕らは満場一致で声を掛けるなよ!って思っただろう。

岡山先生は僕らの方を見て

「どうも‥」とボソッと言ってうどんを一生懸命啜っていた。

岡山先生は食べ終わり、真顔でお盆を持って学食を出て行った。

「ねぇ、岡山先生っていつもあんな感じなのかな」とエミリーは笑った。

沙優も笑いながら

「絶対にプライベートでもハキハキしてるよね。なんかウケる。」

と言った。

すると、後ろから目が細いやや体格がいいおじさんが声を掛けてきた。

岡山先生と同じぐらいの年齢だろう。

「あの、おっさんは変わり者なんだよ。変だろ?あれ」

と言って岡山先生が座っていた席に座った。

僕らは、「?」ってなりながら見ていた。

「あの、おっさんは真面目っていうか、生真面目過ぎて話しづらいんだよ。全てが規律正しく‥めんどくさいおじさんだ。俺の授業にもたまーにいちゃもんをつける。」

斎藤が

「あ、先生なんすね。」

と答えた。

「ああ、日本文化史の授業やってるんだよ。じゃあ若者たちよ!青春を楽しんでくれたまえ!どっこいしょーいち!」

と言って立ち上がり去って行った。

沼山が

「あの、先生も変わってるよね。この大学は変わった先生しかいないのかな。」

みんなそれを聞いてうーんと頷いた。


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