平成24年⑥
大学生活がだんだん慣れてきた梅雨の時期だった。斎藤以外の5人でカフェテリアでコーヒー飲みながら、駄弁っていた。さゆがスマホをポチポチ触った後
「これから、予定があるの!ごめんね!お先に!」と言いにこやかにショルダーバッグを肩に掛けて去っていた。
「あいつ、何かあるの?こんな夜から」
と飯田は不思議そうに言った。
エミリーははぁ〜やれやれと言わんばかりの表情をした。
「あんたら、非モテ男子には関係ないけど、さゆは素敵な人と出会ったのよ。」
「彼氏できたの?」
と僕は聞いた。
「本人に聞いてみたら?」
「聞けないから、エミリーに聞いてんじゃん。」
「あー、別に言っても大丈夫だと思うけど。さゆは他学部の人といい感じなんだよね。しかも、めっちゃスタイルが良くてイケメンなんだよね。」
「どこでそんな出会いがあったんだろうな。俺たち知らなかったし。」
「うちらの男陣営には言わないよ!だって恋愛みんな疎いでしょ?私には言ってくれたよ。テーマ別の授業で、隣の席だったんだって。それでさゆが声を掛けたんだって。」
僕らはへぇーと言いながら、僕はやっぱ大学生なんだなぁと思った。
カフェエリアに女の子2人が入ってきた。
その二人は
「なんなの?あの金髪頭。いきなりナンパって」
「学内歩いていただけで、ナンパとかめっちゃうけるね。」
と話しながらレジに並んだ。
そしたら、斎藤がカフェテリアに入ってきて
僕らに
「ちぃーす!」と言い席についた。
僕は苦笑いをしながら
「また、ナンパしたのかい」
「おぅ!だめだったわ」
と笑いながら言った。
「さゆちゃんいないじゃん」
「デートらしいよ」
と飯田は言った。
「先越されたか!」と斎藤は笑って言った。
この後、僕らは1時間駄弁って帰った。
数日後、みんなで学食に行き夕ご飯を食べた。
僕は生姜焼き定食(税込450円)を注文した。
生姜焼きに、キャベツ、小鉢×2、温泉たまご、白飯、味噌汁でこの値段のため、凄くコスパがよい。
斎藤が
「高瀬、今日は羽織がいいな」
と言った。
それ聞いたエミリーが
「てか、男子ほぼ全員というか毎回うどんって飽きない?みんな香川県出身なの?」
と笑いながら言った。
飯田がいきなり
「あ!香川で思い出したけど、ドルトムントの香川やべーよな!2ゴールに2アシスト!」
僕は箸を止めた。
「そー!香川の試合、昨日の夜見たけどやばかったね。ドルトムント強すぎだわ。」
エミリーがつまらなそうな顔をしながら
僕らを見た。
「男陣で男の趣味のお話しで盛り上がっても私ポツンなのよ。」
「じゃあ、どんな話しがいいの?」
と沼山が聞いた。
「うーんとね。恋愛系とかかな?」
斎藤が笑いながら
「いや、俺たちは専門外だぜ」
と言った途端僕らは思いっきり笑った。
エミリーが味噌汁を飲んだ後、一息つき
「さゆがさ、授業来ない時が増えたじゃん?
だから、さゆに聞いてみたんだ。」
僕はうんと頷きながら聞いた。
「なんて言ってたの?」
「明日ディズニー行くから、彼の部屋の掃除をして万全な準備してから行きたいんだって。夜はご飯も作らないとってそんなこと言っててさ。」
飯田は腕を組みながら
「ディズニー行くからって別に掃除しなくても
よくね?ディズニー帰ってから掃除をやればいいのにね。」
エミリーが
「いや、そういうことじゃなくて。」
失笑しながら答えた。
飯田はたまに線路から脱線することがある。
「さゆ。大丈夫かな。その彼と上手く行ってればいいんだけど」
僕は初めてエミリーの心配な表情を見た。




