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平成23年⑥

11月の北陸はコートが欠かせない。寒さがじわじわと僕の身体に覆い被さる。僕は夕方帰宅前に昇降口で大谷先生と立ち話をしていた。

「高瀬、明日の試験頑張って。いつも通りに行けば大丈夫だから。」

「ありがとうございます。頑張ります。うん、大丈夫な気がします。」

と言い微笑んだ。

「寝坊だけはしないようにね。何せ東京だから。お昼過ぎだからって油断しないように。」

「大丈夫です。安心して下さい。」

と僕は落ちいて言った。


次の日は早朝から起き渋谷へ行った。夏休みに受ける大学へ行ったので迷うことはなかった。アドバイスくれた大谷先生には凄く感謝する。集合時間の1時間前には大学に着き大教室で待っていた。大教室には全員で300人ぐらいはいただろう。そこから一斉に小論文の試験が始まった。内容はほぼ練習で書いてきたものと類似してる点がいくつかあった。

僕は想像以上にスラスラ書けた。無我夢中でペンを走らせ試験終了の30分前に書き終えた。3度書いた内容を読み、誤字や話しの流れがおかしくないか確認した。試験が終わり答案用紙が回収されて15分だけ休憩に入った。休憩が終わり係の人に連れられて隣の校舎に移った。そこから面接が始まり、僕は一番最初に呼ばれた。学校で大谷先生から軽く面接の練習をしたが以外とラフな面接だった。ドアノックをして入室しようとしたら、面接官の方に

「あ、いいよ別にしなくて。」と言われそのまま入った。

聞かれた内容は志望動機と好きな本と部活は何をしてたか?と家はどこなの?

へぇー富山かぁ 富山だったら白エビ煎餅美味しいよね!など聞かれて3分で終了した。

昼ちょっと過ぎに終わり、富山へ帰る前に都内で最近話題になっているすた丼を食べに行った。ニンニクの味も効いて卵と肉がこんなに相性が良いとは考えたことがなかった。都内に住んだら外食パラダイスにだろう。

僕は東京駅に向かいお母さんに頼まれた原田のラスクを買って新幹線に乗って帰った。

原田ラスクが凄く美味しいらしい。


3週間ほどで自宅に結果の封筒が来た。大きい封筒で来たのでワクワクしながら開けた。

封筒の中から合格通知と入学の書類が入っていた。僕は満面の笑みで廊下に寝っ転がって天井を見た。自分が上手く受験を成功させたことと受験という縛りから解放され清々しい気分だった。

僕は次の朝、早めに学校へ行き講師室へ行った。

「大谷先生!受かりました!」

大谷先生はコーヒーを飲みながら

「やったじゃん!高瀬の実力なら受かると思ってたんだよ。おめでとう!」

「先生!ありがとうございます!先生のおかげで高校生活いい思い出を作ることができたのと、これからの大学生活が楽しみでしょうがないです!」

「高瀬がこんなに喜んでるのは初めて見たよ。よく頑張ったね!職員室に行って山根先生にも報告しなよ!」

「あ!はい!してきます!」

と言い隣の職員室へ行った。

山根先生もコーヒーを飲んで座っていた。

「山根先生おはようございます!大学受かりました!」

山根先生をおっと口を窄めて厳つい眼鏡を一回上に上げた。

「高瀬!おめでとう!よー頑張ったな!毎朝、勉強にスポーツに頑張ってたもんな!」

「山根先生が大谷先生を紹介してくれたのも大きいですよ!」

「いやいやぁこの程度で。俺はなぁ朝から一生懸命やってる奴が好きなんだよ!俺は!だから、素晴らしい!」

「ありがとうございます。」

本当に清々しい気持ち良い朝だった。

僕は希望に溢れていた。

この感情をずっと保ちたいと思い、矢部に報告をしなかった。

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